研究課題/領域番号 |
20K09568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
安水 洋太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40464854)
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研究分担者 |
小坂 威雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30445407)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 神経内分泌前立腺癌 / SWI/SNF / BRG1 / ARID1A / クロマチンリモデリング / SWISNF / MUC1 / アンドロゲンレセプター |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌はアンドロゲン受容体をターゲットとした治療の過程で、神経内分泌前立腺癌(Neuroendocrine prostate cancer:NEPC)の性質を獲得し、治療抵抗性となる。NEPCには確立した治療法がなく、分子基盤の解明は急務である。申請者はこれまでにMucin1(MUC1)発現の上昇がNEPC分化の一端を担うことを報告してきた。本研究では、MUC1が複数のクロマチンリモデリング因子と巨大な複合体をDNA上で形成することに着目し、NEPC分化におけるMUC1-クロマチンリモデリング因子複合体の意義解明とその抑制に着目したNEPCの新規治療戦略の確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
去勢抵抗性前立腺癌におけるMUC1とmSWI/SNFの働きについて研究した。MUC1が転写因子であるE2F1を介してmSWI/SNFの因子であるBRG1・ARID1Aの発現を制御することを発見した。さらにMUC1がNOTCH1やNANOGの転写調整領域でのBRG1・ARID1Aの発現を制御し、E2F1を介して自己複製能を獲得している結果を得た。これらの結果から、MUC1-E2F1-mSWI/SNF-NOTCH1-NANOG経路が前立腺癌の幹細胞能獲得に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経内分泌前立腺癌(NEPC)への脱分化にTP53やRB1といった癌抑制遺伝子の変異が関与する。そして2nd stepとして転写・翻訳の調整スイッチが入ることで神経内分泌分化が生じる。この転写・翻訳の調整のことをエピジェネティックリプログラミングと呼ぶ。今回、我々はMUC1がSWI/SNFに作用することで、NEPC分化の調整スイッチを担っていることを世界に先駆けて発見した。NEPCは難治性でいまだ治療方法が確立していない。本研究の結果は未知なるNEPCの分子基盤を解明し、NEPCの新規治療戦略確立の一助となる。
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