研究課題/領域番号 |
20K09570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
デベラスコ マルコ 近畿大学, 医学部, 講師 (20449838)
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研究分担者 |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 腫瘍微小環境 / 複合免疫療法 / 遺伝子改変マウスモデル / 腫瘍微小免疫環境 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の腫瘍免疫の進歩はめざましく、免疫チェックポイント阻害薬を使った抗腫瘍免疫を惹起・誘導する免疫療法が各癌腫においての開発されている。しかし、前立腺癌においては、比較的免疫原性はあるものの免疫チェックポイント阻害薬の有効性は示されていない。元来腫瘍は免疫抑制性の物質を誘導し、免疫抑制性の腫瘍微小環境をプロモートすることが知られている。そこで今回、我々が開発した遺伝子改変前立腺癌マウスモデルを用いて、腫瘍の免疫微小環境とARシグナル阻害との関係について検証すると共に、免疫チェックポイント阻害薬と化学療法・ARシグナル阻害薬などとの複合免疫療法の有効性について、分子レベルの詳細な解析を行う。
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研究成果の概要 |
前立腺癌の局所の免疫環境について、前立腺癌マウスモデルでアンドロゲン受容体標的治療(ARTA)について検討したところ、新規抗アンドロゲン薬であるアパルタミド薬は腫瘍内に細胞傷害性T細胞の浸潤や活性化が認められた一方、ARの発現を抑制しても免疫抑制的な骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)の発現が上昇し、MDSCは治療の抵抗性に関連していることが分かった。腫瘍微小環境を変化させmonotherapyで効果を引き出すのが難しいPD-L11抗体はSTAT3阻害薬と併用することで腫瘍増殖を抑制することが分かった。これらの成果は米国癌学会(AACR)や日本癌学会(JCA)にて報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍の免疫微小環境変化は免疫チェックポイント阻害治療を開発する上で非常に重要であり、動物実験モデルの有用性は際立っている。我々が開発した前立腺癌マウスモデルは、immunocompetent syngeneicであり、局所の腫瘍内免疫反応のさらなる理解と全身の免疫環境について検証を可能とした。実臨床で使用されている新規抗アンドロゲン薬の治療抵抗に関連する免疫抑制性細胞の同定や新たな免疫チェックポイント阻害薬と分子標的治療薬を組み合わせた併用療法の前臨床試験を本マウスモデルで迅速に検証し、臨床へフィードバックできる意義は大きく、前立腺癌治療への極めて重要なベネフィットとなるであろう。
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