研究課題/領域番号 |
20K09585
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
水野 隆一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60383824)
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研究分担者 |
三上 修治 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (20338180)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | renal cell carcinoma / systemic therapy / TCR repertoire analysis / 腎細胞癌 / レパトア解析 / 転移性腎細胞癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / バイオマーカー / T細胞受容体多様性解析 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は先行研究で進行性腎細胞癌に対する血管新生阻害薬治療後の摘出腫瘍検体でCD8陽性T細胞の浸潤が増加しているのみならず、PD-L1の発現が亢進していることを発見し報告している。本研究では ①血管新生阻害薬治療後の腫瘍微小環境の新分類の確立 ②血管新生阻害薬-免疫チェックポイント阻害薬投与奏功例でのT細胞受容体レパトアの確認 ③TCRレパトアを既存の予後モデルに組み入れた新たな免疫チェックポイント阻害薬選択基準の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
転移性腎細胞癌に対して治療が行われた症例の血液検体を用いてT細胞受容体多様性指数を測定したところ、血管新生阻害薬単剤使用群ではT細胞受容体α鎖およびT細胞受容体β鎖の多様性指数はいずれも治療開始1ヶ月後に低下していた。一方で血管新生阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬の併用群では多様性はいずれも治療開始1ヶ月後に上昇していた。コントロール群である緩和照射症例ではT細胞受容体α鎖およびT細胞受容体β鎖の多様性指数はいずれも治療開始1ヶ月後に低下していた。免疫チェックポイント阻害薬の上乗せによってT細胞受容体α鎖およびT細胞受容体β鎖の多様性指数が増加する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行性腎細胞癌治療には血管新生阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬が使用されている。個々の症例に対してIMDC分類などの臨床因子に基づいたリスク分類が行われ、担当医が治療薬を決定しているのが現状である。高額な新規薬剤が保険診療で使用されていることもあり、良好な治療反応が期待できる症例の選別に有効なバイオマーカーなどの同定は喫緊の課題である。本研究では血管新生阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬でT細胞受容体多様性の変化が異なることが確認された。このことから、T細胞受容体多様性を現行の臨床リスク分類の代わりに使用できる可能性が示唆され、より適切な薬剤選択につながることが期待された。
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