研究課題/領域番号 |
20K09598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
笹川 勇樹 神戸大学, 医学研究科, 助教 (40815304)
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研究分担者 |
山田 秀人 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (40220397)
谷村 憲司 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (80593988)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | β2-グリコプロテインI / MHCクラスII / 抗リン脂質抗体症候群 / 不育症 / MHCクラスII分子 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、MHCクラスII分子と小胞体内のミスフォールド蛋白質の複合体が病因抗原(ネオセルフ抗原)となり、それに対する抗体(抗ネオセルフ抗体)が自己免疫疾患を引き起こすという新しい病態論が提唱された。さらにペプチド抗原とMHCクラスII分子の複合体(ネオセルフ化ペプチド)をマウスに免疫し、抗ネオセルフ化ペプチド抗体を産生させることで、自己免疫疾患の発症を抑制する可能性があることが示された。今回の研究では不育症や産科異常症の原因となる抗リン脂質抗体症候群の新しい治療薬としてペプチド化β2-グリコプロテインIとMHCクラスII複合体に対する抗体を誘導するペプチドワクチンの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
MHCクラスII分子と小胞体内のミスフォールド蛋白質の複合体が病因抗原(ネオセルフ抗原)となり、それに対する抗体(抗ネオセルフ抗体 )が自己免疫疾患を引き 起こすという新しい病態論が提唱された。さらにペプチド抗原とMHCクラスII分子の複合体(ネオセルフ化ペプチド)をマウスに免疫し、抗ネオセルフ化ペプチド 抗体を産生させると同抗体がT細胞レセプターとペプチド・MHCクラスII分子複合体との結合を阻害し、多発性硬化症のモデルマウスにおいて疾患発症を抑制する 可能性が示されており、ペプチドワクチンという新しい治療薬として期待される。今回は不育症や産科異常症の原因となる抗リン脂質抗体症候群の新しい治療薬 としてペプチド化β2-グリコプロテインIとMHCクラスII複合体に対する抗体を誘導するペプチドワクチンの開発を目指した。 Balに/cマウスにFulllengthβ2GPI を免疫するとAPSを発症するので( MiriBlanketal.J Autoimmun 1994)、Balb/cマウスにAPSを発症させてAPTTを計測する有意に延長していたためAPTTを判定項目 とした。Balb/cマウスに、選定した5種類のネオセルフ化ペプチドのそれぞれで免疫しフローサイトメトリーを用いてそれぞれのマウスにTCR様抗体が産生された かを確認した。これらのマウスにFulllengthβ2GPIを免疫したがいずれもうまくAPSに誘導できなかった。 β2GPIには5つのドメインがあり、ドメイン欠損β2GPIを作成しウェスタンブロットを行ったところ、ドメイン5がMHCクラスII分子に結合するのに必要であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
人員の減少があり研究以外にも臨床に時間を割かざる得なくなり、当初予定していた研究時間を確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ペプチドワクチンに関しては引き続きネオセルフ化ペプチドで免疫したマウスにTCR様抗体が産生され、APSを誘導させることで効果のあるペプチドを選定してい く。β2GPIがMHCクラスII分子に提示されるために必要なエピトープがドメイン1とドメイン4にある可能性があり、ドメイン5がMHCクラスII分子に結合するのに必要であることが分かった。ドメイン1,4,5を中心に抗体化に必要なペプチドを作成する予定。
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