研究課題
基盤研究(C)
近年、補体異常活性化と妊娠高血圧症候群 (Hypertensive disorders of pregnancy 以下HDPと略す)の病態との関連が注目されている。しかしながら、HDPの主要な病態と認識されている「母体の抗血管新生状態による血管内皮障害」と「補体異常活性化」との関連についてはほとんど検討されていない。本研究の目的は、HDPの病態メカニズムの中心である母体の抗血管新生状態と、近年注目されている補体異常活性化の二つのメカニズムの関連を基礎的に検討し、抗血管新生状態と補体異常活性化を協調して制御する重要性を示すことである。
近年、補体異常活性化と妊娠高血圧症候群 (Hypertensive disorders of pregnancy 以下HDPと略す)の病態との関連が注目されている。我々は母体の抗血管新生状態が、血管内皮細胞からの補体活性化抑制因子(第二経路の最下流を制御するfactor H)の産生を抑制することで、母体の抗血管新生状態が補体異常活性化を通して血管内皮障害に至るメカニズムを明らかにし、その上流を制御する各種の補体活性制御因子が血管新生因子や抗血管因子の影響でさまざまに発現を変化させられることを見出した。
本研究により、HDPの際の母体の抗血管新生状態による補体の異常活性化のプロセスの一部ではあるが明らかになったことにより、近年開発された薬剤による補体抑制治療による、副作用に配慮した疾患特異的な補体抑制治療の実用化への布石となったと考える。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (14件)
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