研究課題/領域番号 |
20K09622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
奈須 家栄 大分大学, 医学部, 教授 (30274757)
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研究分担者 |
平川 東望子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (20516132)
西田 正和 大分大学, 医学部, 講師 (90404384)
甲斐 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (90457622)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 子宮内膜症 / 瘢痕形成 / 細胞増殖 / アポトーシス / 収縮能 / 細胞外マトリックス / 細胞周期 / 薬物療法 / ヒストン脱アセチル化酵素 / 瘢痕化 / コラーゲンゲル3次元培養 / マイクロRNA / 線維化 / cDNAマイクロアレイ / ケモカイン / 3次元培養 |
研究開始時の研究の概要 |
現在行われている子宮内膜症に対する治療法は、副作用や再発率が高い点が問題とされており、より安全性や効果の高い薬剤の開発が求められている。また、子宮内膜症に伴う瘢痕化に対する治療法は未だ開発されていない。 本研究によって子宮内膜症における瘢痕化メカニズムの全容が解明されるとともに、その結果に基づく、瘢痕化の予防・治療に有用な、新しい薬物療法の開発が可能となる。さらに、本研究結果により有望視される薬剤に関して、動物実験を含む基礎的データを収集することにより、臨床試験に向けての準備を行う。
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研究成果の概要 |
正常子宮内膜間質細胞と比較して、子宮内膜症間質細胞において発現が減少しているhsa-miR-199a-3pについて機能解析を行った。その結果、hsa-miR-199a-3pの強制発現はp21-activated kinase 4 (PAK4)の発現を抑制することにより、子宮内膜症間質細胞の運動能、浸潤能、収縮能を抑制することが明らかとなった。さらにPAK4阻害薬であるPF-3758309について、子宮内膜症の治療薬としての可能性を評価した。その結果、PF-3758309は子宮内膜症間質細胞の運動能、浸潤能、収縮能を抑制することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器線維症は肺、心臓、肝臓、腎臓、皮膚等の臓器がダメージの修復過程で異常な線維化を生じ、機能が低下する疾患である。臓器線維症に対する治療薬の開発は肺線維症を中心に進んでおり、抗線維化剤が日常臨床で用いられている。 子宮内膜症は月経周期に伴って出血、凝血、吸収を繰り返して瘢痕化、線維化を生じ、病態が進行する疾患で、臓器線維症の1つと位置付けられる。本研究ではp21-activated kinase 4阻害剤であるPF-3758309について検討を行い、瘢痕化の抑制を含む治療効果を確認した。現時点では、子宮内膜症に伴う瘢痕化、線維化に対する治療薬は存在しないため、本研究の社会的貢献度は極めて高い。
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