研究課題/領域番号 |
20K09636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
石川 光也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (00306820)
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研究分担者 |
吉田 裕 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (70750751)
白石 航也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 部門長 (80609719)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リンチ症候群 / 生殖細胞系列変異 / 体細胞異常 / 子宮体癌 / 体細胞変異 / 病的バリアント / 子宮内膜がん |
研究開始時の研究の概要 |
子宮体がんは遺伝性腫瘍(リンチ症候群)が含まれていることが知られている。リンチ症候群は、発症する個々のがんに臨床的に識別できるような明確な特徴が少ない。そのためその多くが見逃されており、サーベイランスを含めた治療方針を決定するためには、リンチ症候群を正しく診断し適切な医学的管理を行うことが重要である。本研究では、子宮体がん511例に対してリンチ症候群のスクリーニングで用いられる臨床情報や免疫染色によるがん組織中のMMR蛋白発現の検出、ホットスポット体細胞変異の有無、さらに胚細胞系列の病的バリアントの情報を統合して解析することで、子宮体がんにおける機能不明なバリアントの臨床的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
国立がん研究センターで病理学的に子宮体がんと診断された433症例に対して、リンチ症候群の発症に関わる生殖細胞系列変異を調べたところ、3.7%に病的バリアントを認めた。病的バリアントを持つ症例と持たない症例での臨床病理学的な違いについて検討し、337例に対して腫瘍組織におけるMMR タンパク質の発現を免疫染色(IHC)で評価した。その内26.7%がMMR deficientもしくはMMR proficientであるかを明らかにした。さらにMMR deficientに着目して、遺伝性腫瘍(リンチ症候群)と非リンチ症候群に分けて体細胞変異解析を実施したところ、リンチ症候群では予後が良好であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、一般的な子宮体がんにリンチ症候群が4%前後含まれていることが明らかになるとともに、生殖細胞系列変異を持つ方が必ずリンチ症候群を伴う病態を反映するわけではないことが分かった。また生殖細胞系列変異を持つ子宮体癌症例は、そうでない症例に比べて予後良好であることも分かった。以上のことから、生殖細胞系列変異を持つ症例と持たない症例では、サーベイランスが異なる可能性が示唆され、新たなバイオマーカーになりうる可能性を示した。
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