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絨毛膜羊膜炎に対する新規治療法開発にむけた基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K09651
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関杏林大学

研究代表者

谷垣 伸治  杏林大学, 医学部, 教授 (80286533)

研究分担者 花輪 智子  杏林大学, 医学部, 教授 (80255405)
大西 宏明  杏林大学, 医学部, 教授 (80291326)
松田 剛明  杏林大学, 医学部, 教授 (80365204)
小林 陽一  杏林大学, 医学部, 教授 (90205493)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード絨毛膜羊膜炎 / 16S rRNA解析 / α多様性 / Ureaplasma / 早産 / マイクロバイオータ / 16s rRNA解析 / バクテリオファージ / 破水 / 細菌性腟症
研究開始時の研究の概要

早産の主因は絨毛膜羊膜炎(CAM)である.CAMの感染経路の大部分は,腟内常在菌や正常腸内細菌に由来する細菌性腟炎からの上行性感染である.従って腟分泌物から分離される細菌について薬剤感受性,遺伝型,病原性を整理し,臨床情報と比較,関連が深い菌種を明らかにすることが求められる.しかし切迫早産例への抗菌薬の投与は早産予防効果はなく,腟内常在菌への抗菌薬投与は薬剤耐性化を促進する危険性がある.加えて羊膜は血管を含まず,経静脈投与の薬剤は効果を発揮し難い.
本研究では,CAMの治療対象となる菌種を臨床情報との比較から抽出し,CAMの起炎菌に対するバクテリオファージ療法の有用性を検討する.

研究実績の概要

2023年度内に,検体の収集を終え,16S rRNA解析に提出を開始しました.2023年度は,主にコントロール群にになると思われる例について提出しております.また,臨床データの登録がほぼ終了しました.解析が終了した母体16S rRNA解析データと新生児データを比較を行いました.その結果,新生児感染徴候認めた6例のうち,Ⅲ度の絨毛膜羊膜炎の2例のにおいて検査室培養での同定菌と羊水及び腟分泌物の16S解析でも最優勢の属でした.ただし1例はGBS,もう1例はHaemophillus のみ検査室では培養同定されましたが,16S rRNA解析ではUreaplasmaも検出されました.残りの4例中2例で16S rRNA解析では,Ureaplasmaが検出され,2例は絨毛膜羊膜炎の起因菌となりうるUreaplasma以外の菌が認められました.これらは検査室での培養では検出されませんでした.またⅢ度絨毛膜の羊水の16S解析では,α多様性の顕著な低下傾向を認めました.以上より16S rRNA解析による絨毛膜羊膜炎起因菌叢解析は,新生児感染症の治療対象を明確にし,適切な抗菌薬治療の実施に貢献しうると推測されました.さらにα多様性の評価することで絨毛膜羊膜炎の重症度も推測できる可能性があると思われました.
これらの結果は,日本産科婦人科学会第75回学術講演会(東京,2023年5月13日)に,16S rRNA解析による絨毛膜羊膜炎起因菌叢解析の新生児感染症への応用という演題名で,発表しております.また本研究は,症例に応じた新生児感染症への適切に対処することも可能になることが期待されると認識されております.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究室の引っ越しがあり,中断期間が生じました.検体解析は,令和6年中に行う予定です(5月中に提出予定です).

今後の研究の推進方策

令和6年5月中に,全ての検体を16S rRNA解析に提出予定です.その結果と臨床データとの比較を行います.今回の結果は,本邦の結果として有用ですが,それのみならず腸内細菌叢との比較を通じ,妊娠中の女性の体調管理についての考察につなげる予定です.またα多様性の変化は,分娩の予知につながると思っています.胎盤機能の低下と胎盤からのホルモンの低下が,腟内の自浄作用の低下と分娩時期へ影響していると考えています.自浄作用の低下が腟内細菌叢の変化に影響を与えていることは紛れもないことから,分娩時期の予測,ひいては早産の予測に有用と考えています.

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 16S rRNA解析による絨毛膜羊膜炎起因菌叢解析の新生児感染症への応用2023

    • 著者名/発表者名
      谷垣伸治, 小林千絵,三ツ矢紫音,須田綾子,大坪翔, 藤麻眞理子,佐藤泰紀,竹森聖,松島実穂,田嶋敦,小林陽一
    • 学会等名
      日本産科婦人科学会第75回学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 絨毛膜羊膜炎起因菌同定にむけた16S rRNA解析におけるシーケンス領域の差異による影響2022

    • 著者名/発表者名
      谷垣伸治,小林千絵,中林一彦,大西英理子,漆山大知,佐藤泰紀,北村亜也,田嶋敦,宮本新吾,秦健一郎 小林陽一
    • 学会等名
      第74回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 絨毛膜羊膜炎における分子生物学的診断下での培養検査の意義2022

    • 著者名/発表者名
      谷垣伸治,花輪智子,大西英理子,中林一彦,漆山大知,小林千絵,佐藤泰紀,竹森聖,松島実穂,田嶋敦,秦健一郎,小林陽一
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第67回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 絨毛膜羊膜炎の診断における16S rRNA解析の導入に向けた方法論の検討2021

    • 著者名/発表者名
      谷垣伸治,花輪智子,大西英里子,漆山大知,小林千絵,尾坂真,竹森聖,渡邉百恵,田嶋敦,松田剛明,大西宏明,宮本新吾,秦健一郎,小林陽一
    • 学会等名
      第57回日本周産期新生児医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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