研究課題/領域番号 |
20K09658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
奈良 篤樹 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (60387959)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オルガネラ構造 / コレステロール / エンドソーム / プロゲステロン / 胎盤細胞 / 電子顕微鏡 / MLN64 / オルガネラ間近接領域 / コレステロール輸送 / 電子線トモグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト胎盤細胞のミトコンドリアで大量に産生されるプロゲステロンは,妊娠維持に働く極めて重要なステロイドホルモンであるが,原料となるコレステロールを効率よくミトコンドリアへ輸送する分子機構については謎が多い。研究代表者は,コレステロールと結合するエンドソーム膜タンパク質MLN64がエンドソームとミトコンドリアとの近接を制御することを発見した。そこで本研究は,胎盤細胞におけるエンドソームとミトコンドリア間の近接によるコレステロール輸送の分子機構の詳細解明を目的とする。3D免疫電顕解析を駆使し,異種オルガネラ近接領域の構造とその領域へのコレステロールの集積,MLN64の近接領域に関わる機能解析をする。
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研究成果の概要 |
ヒト胎盤細胞のミトコンドリアで大量に産生されるプロゲステロンは,妊娠維持に働く極めて重要なステロイドホルモンである。プロゲステロンの大量産生には,原料となるコレステロールを大規模かつ効率よくミトコンドリアへ輸送する必要があるものの,その輸送分子機構については謎が多い。研究代表者は,2Dおよび3D免疫電子顕微鏡解析から,エンドソームとミトコンドリアとの間の詳細構造を明らかにした。この研究によって,プロゲステロンが如何に産生されているのかの分子機構の一端を明らかにできた。また,産生されたプロゲステロンがどう細胞外へ分泌されるのかといった謎にも今後迫ることができる点で,のびしろのある研究となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究によって輸送経路の微細構造やそこに局在する分子が判明すれば,本研究分野における大きな理解に繋がる。特に,謎の多い他の異種オルガネラ間が生む微細領域の詳細解明のための研究ツールとなり,波及効果が期待される。異種オルガネラ接近面の未知の微細構造を提示することで,我々に新鮮な疑問を投げかけ,接近面の新規の物質輸送機能の発見・解明へと推進する。本研究による胎盤細胞を用いたコレステロール輸送機構の解明は,妊娠の維持による胎児の安定的成長と体重確保や,出産後の健康保育などの課題の改善に繋がることが期待され,科学技術のみならず幅広い意味で社会に貢献できる。
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