研究課題/領域番号 |
20K09660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 潔 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (70241594)
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研究分担者 |
三木 康宏 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 特任准教授 (50451521)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 子宮内膜癌 / 脂質代謝 / 脂肪酸 / 脂質 / adipophilin / 脂肪 / リポクオリティ / ホルモン依存性癌 / エストロゲン |
研究開始時の研究の概要 |
肥満と子宮内膜癌との関連については、多くの疫学研究で明らかにされてきた。また、子宮内膜癌サバイバーにおいても肥満の防止が再発を防ぐことが示唆されている。しかし、癌細胞での脂肪の役割については明らかにされていない。本研究では、子宮内膜癌における“リポクオリティ”に着目し、リピドミクス解析により再発や化学療法耐性、ホルモン依存性への脂質の意義を明らかにする。本研究成果から、漠然と認識されている脂肪と癌の関係に対する科学的エビデンスが明確になり、治療標的としての資質を明らかにすることができる。さらに患者の体重管理の重要性や成分に配慮した脂質の摂取など、生活指導に関しての情報提供にもつながる。
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研究成果の概要 |
肥満が癌の発生に関与していることが知られるようになってきた。疫学的に脂肪が癌の再発に何らかの影響を与えていることは明確であるが、そのメカニズムは明らかにされていない。本研究では、リポクオリティの子宮内膜癌への影響を明らかにすることを目的とした。ヒト病理組織を用いた検討から、脂肪滴構成に関与するAdipophilin、脂質の取り込みに関与するCD36、β酸化に関与するACADLはいずれも癌細胞の脂質の影響に関与することが明らかとなった。また培養細胞を用いた検討から、脂質の構成、癌細胞での代謝経路によって、脂質が癌細胞の増殖などを抑制的もしくは促進的に働くかを決定していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、脂質の取り込み、蓄積から代謝に至るまでの種々の段階に関わる因子群のパターンによって脂質の影響は異なり、これら因子の発現を総合的に判断することが重要であると示唆された。代謝物の影響に関するさらなる検討が求められるが、本研究成果は、脂質代謝経路の阻害といった癌治療学的観点からの情報提供のみならず、食物やサプリメントとしての脂質摂取といった栄養学的観点からの癌予防にもつながる成果であると考えられる。本研究では子宮内膜癌を対象としたが、同様に大腸癌や乳癌はじめとする他癌においても、肥満・脂質研究の一助となるのではと考えられる。
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