研究課題/領域番号 |
20K09704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
片田 彰博 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90281899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 機能的電気刺激 / 声門閉鎖運動 / 埋め込み型電極 / 神経再支配 / 埋込型電気刺激装置 / 声帯運動 / 喉頭機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では実験動物モデルとしてイヌを用いる。イヌの反回神経を切断し、声帯麻痺モデルを作成する。モデル動物の固定した声帯を再運動化させるために、内喉頭筋への神経再支配の誘導と機能的電気刺激による声帯運動の誘発をおこなう。神経再支配は反回神経障害部位の神経縫合によって誘導する。さらに麻痺している声門閉鎖筋に機能的電気刺激を加え、声帯運動を誘発する。そして長期間の電気刺激が神経再支配のスピードや正確性にどのような影響を及ぼすのか検討する。また、機能的電気刺激によって誘発される声帯運動を解析して、誘発された声帯運動が呼吸、発声、嚥下などの機能障害をどの程度回復させているのか確認する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、1)機能的電気刺激によって誘発される声帯の閉鎖運動や開大運動は反回神経麻痺による喉頭機能の障害を軽減できるのか確認する、2)長期間にわたる機能的電気刺激の筋組織や神経組織に対する安全性を確認する、3)長期間にわたる機能的電気刺激の神経再支配の速さや正確性への影響を確認する、以上の3点である。 これらの目的を達成するためには、反回神経を切断したイヌ声帯麻痺モデルと、麻痺している内喉頭筋を長期間にわたって刺激する完全埋め込み型の専用のシステムが必要となる。我々はすでに電子機器メーカーとの共同研究によって、イヌの声門閉鎖筋や声門開大筋の刺激に特化した完全埋め込み型の機能的電気刺激システムの開発を完了している。 本年度は、麻痺している右声門閉鎖筋の表面に電極を埋め込み、埋め込み手術から1か月程の経過観察をおこなって、創部が安定した段階で体外から刺激発生装置を駆動させ、声門閉鎖運動を誘発する計画であった。合計3頭のイヌ声帯麻痺モデル動物に電極の埋込手術を施行した。1頭に創部の術後感染が生じたため、いったん留置した電極を抜去して新しい電極を再度留置する手術をおこなった。残りの2頭は創部に感染をおこすことはなかった。創部が安定するのを待って、電気刺激をおこなったが、3頭いずれも電気刺激で有意な声門閉鎖運動を誘発できなかった。埋め込まれている電極を確認したところ、埋め込み手術から1か月の間に電極と刺激発生装置をつなぐリード線が破損していた。破損しにくい電極が必要と考え、現在は、電極の改良について共同研究機関である電子機器メーカーとの相談をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
合計3頭のイヌ声帯麻痺モデル動物に電極の埋込手術を施行したが、電極が破損してしまい、電気刺激による声帯運動を誘発することができなかった。この完全埋め込み型の刺激電極はこの実験のために電子機器メーカーと協同開発したものである。電極が破損した場合、その電極を抜去して新しい電極を埋め込む必要があるが、新たに電極を用意するまでには数カ月以上が必要であり、実験の進捗に遅れを生じている。また、今回実験に使用したモデル動物は手術部位の感染や瘢痕化によって新しい電極を埋め込むことが難しい。加えて、本学の動物実験施設において、イヌの飼育施設の老朽化が激しく、今後はイヌを飼育出来なくなる可能性があり、新しいイヌを用意することが出来ない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
本学の動物実験施設において、イヌの飼育施設の老朽化が激しく、今後はイヌを飼育出来なくなる可能性があり、新しいイヌを用意することが出来ない状況にあるため、実験の継続のためには、モデル動物の動物種の変更が必要と考えている。本研究は、声帯の筋肉を埋め込み型の電極で直接電気刺激する必要があり、ラットやモルモットは喉頭のサイズが小さすぎるため、使用が難しい。ウサギやミニブタなどへの動物種の変更を進めていく予定である。
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