研究課題/領域番号 |
20K09717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 特任教授 (60211314)
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研究分担者 |
平野 隆 大分大学, 医学部, 講師 (20305056)
川野 利明 大分大学, 医学部, 講師 (30633424)
門脇 嘉宣 大分大学, 医学部, 助教 (10706980)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | PD-1/PD-L1共抑制分子 / 経鼻免疫 / インフルエンザ菌 / 粘膜免疫 / PD-L1 / 免疫老化 / 上気道 / PDL-1 / 上気道粘膜 / 免疫チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
経鼻免疫は上気道粘膜に効率的に免疫応答を誘導しうる方法であるが、個体における宿主免疫の多様性や脆弱性により免疫誘導の確実性が保証されにくい。インフルエンザ菌に対して、より確実な気道粘膜免疫誘導は重要な意義を持つものと思われる。目的を達成するために以下の事を行う。①インフルエンザ菌由来のワクチン抗原による気道粘膜免疫賦活化誘導。②抗CTLA-4抗体、抗PD-1/2抗体投与による粘膜免疫増強効果の解析。③インフルエンザ菌クリアランス解析による臨床応用への検討。より一定に増強された粘膜免疫応答が、ヒト気道感染の感染防御に関する新療法に貢献すると考える。
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研究実績の概要 |
加齢に伴うT細胞機能低下は様々に報告されている。今回、加齢マウスにおける抗Programmed death-ligand 1(PD-L1)抗体投与に伴う上気道粘膜免疫賦活化とヘルパーT細胞動態の変化について解析を行った。高齢マウス(18カ月齢)に、10 μgの無莢膜インフルエンザ菌由来外膜蛋白(OMP)と1 μgのコレラトキシンを粘膜アジュバンドとして週1回3回OMPを経鼻投与した。同様に抗PD-L1抗体投与群として、18カ月齢マウスの経鼻免疫マウスを作成し、粘膜免疫の賦活化を目的として、経鼻投与に抗PD-L1抗体の腹腔内投与を併用した。対照はリン酸緩衝溶液(PBS)投与群とした。経鼻免疫後7日目に、鼻腔洗浄液および血清を採取し、OMP特異的抗体価を測定した。鼻粘膜、鼻粘膜関連リンパ組織(NALT)、頸部リンパ節、脾臓を採取し、単核球を分離したのちに、各種蛍光標識した抗CD3a、抗CD4抗体、抗CD8抗体、抗CD69抗体、抗CD279(PD-1)抗体、濾胞性ヘルパーT細胞のマーカーである抗CD185抗体を用いて単核球を染色し、フローサイトメトリーによるT細胞解析を行った。鼻腔および血清中のOMP特異的抗体価において、18カ月齢マウスではPBS群と比較して、抗PD-L1抗体投与においても抗体価の増加を認めなかった。抗PD-L1抗体投与に伴い、18カ月齢マウスにおいてPD-1陽性CD4陽性T細胞比の増加を認めたが、CD4陽性T細胞にCD69の発現増強を認められす、リンパ球の活性化の増強を認めなかった。また、濾胞ヘルパーT細胞は18カ月齢マウスでは抗PD-L1抗体投与に伴い増加を認めなかった。抗PD-L1抗体による粘膜免疫賦活化は、18カ月齢高齢マウスにおいては活性化を認めなかった。
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