研究課題/領域番号 |
20K09718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2021-2023) 奈良県立医科大学 (2020) |
研究代表者 |
太田 一郎 近畿大学, 奈良病院, 准教授 (00326323)
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研究分担者 |
高橋 昭久 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 教授 (60275336)
森 英一朗 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70803659)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | EMT / がん微小環境 / がんの浸潤・転移 / がんの浸潤転移 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がん細胞を取りまく微小環境の重要性が注目されており、がんの浸潤・転移のしやすさががん細胞自体のみならず、がん細胞と微小環境との相互関係が深く関与していることが分かりつつある。そこで、我々が開発したがんの浸潤・転移モデル実験系などを用いて、がん微小環境において、がん細胞がEMT(Epithelial-Mesenchymal Transition、上皮間葉移行)を誘導するとともにがん幹細胞の活性化を促進し、そしてどのようにして腫瘍免疫抑制・回避能を獲得するのかを解明する。 さらに、このEMTを介したがん微小環境ネットワークを標的とした治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
がん微小環境においてがん細胞がEMT(Epithelial-Mesenchymal Transition)を誘導するとともにがん幹細胞の活性化を促進し、どのようにして腫瘍免疫抑制・回避能を獲得するのかを検討した。EMT のがん微小環境における免疫逃避能獲得の関与が示唆され,EMT 亢進と PD-L1 発現は一方向性ではなく,複雑な双方向性であることが示唆された。またPD-L1/PD-L2 をノックダウンすることで EMT を抑制することが示唆された。がん細胞のEMTの発現誘導がPD-L1/PD-L2を介した腫瘍免疫抑制・回避能と密接に相互関係を保ちながら制御されていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Wntシグナル伝達経路がSnailを介してEMTを誘導することで、MT1-MMPおよびMT2-MMPを活性化させるとともに、がん細胞の浸潤・転移能を獲得させることを示した。頭頸部がん細胞においていかにしてがん微小環境がEMTを誘導し、がん幹細胞を活性化させ浸潤・転移を促しているかを、in vitroおよびin vivoのレベルで分子生物学的手法および独自の浸潤・転移モデルを用いて解明の糸口を見出した。今後、その経路の分子標的薬の開発により、一層の治療効果が期待できる。
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