研究課題/領域番号 |
20K09738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
三輪 正人 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (80247650)
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研究分担者 |
山本 誠 東京理科大学, 工学部機械工学科, 教授 (20230584)
高田 弘弥 日本医科大学, 医学部, 教授 (30824833)
小川 令 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (70398866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メカノセラピー / 振動刺激 / 鼻副鼻腔粘膜上皮 / 振動ネブライザー / 上顎洞 / 呼吸気流 / シアストレス / CFD解析 / メカノバイオロジー / 鼻粘膜上皮 / ネブライザー / 嗅覚障害 / 副鼻腔炎 / 鼻粘膜上皮バリア機能 / 振動圧刺激 / Ca2+オッシレーション / K+チャネル / 数値流体力学的 ( CFD ) 解析 / 嗅裂 / 上顎洞自然口 / 初代培養ヒト鼻粘膜上皮細胞 / 上皮バリア / 数値流体力学的解析 / 力学的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮バリア機能異常は、様々な慢性炎症性疾患の上流に位置することが示唆されている。上皮バリアが損なわれた状態「leaky epithelium」は、アレルギー性鼻炎や難治性副鼻腔疾患の代表である好酸球性副鼻腔炎にもみられることが証明されている。本研究では、鼻粘膜上皮バリア機能低下モデルを作成し、ヒト鼻副鼻腔の数値力学的解析により実証した振動圧に基づいた条件下での非接触超音波振動圧刺激照射により、障害されたバリア機能が修復される可能性を探る。本研究で得られた知見を臨床応用し、鼻粘膜上皮に対する物理的刺激を加える「メカノセラピー」を開発し、高額な分子標的薬に代わる先駆的治療法を開発する。
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研究実績の概要 |
気道上皮は、呼吸気流、温度、湿度、気圧などのメカノストレスを常に受けながら、その変化を感じ取り(メカノセンシング)、バリア機能、分泌、粘液繊毛輸送機能、嗅覚などの重要な働きをダイナミックにおこなっている。なかでも上皮バリア機能異常は、様々な慢性炎症性疾患の上流の病態に位置すると考えられる。適度なメカノストレスは、気道上皮の電気的バリア機能を亢進させることを我々は過去に証明しているが、本研究課題では「振動圧刺激が鼻粘膜上皮バリア機能をupregulateできる」の仮説を実証することを目的としている。 昨年度は実際にヒト鼻腔粘膜各部位の呼吸気流に対する振動の影響を検証するため、まず嗅裂部、中鼻道の鼻呼吸時の数値流体力学的 ( CFD, Computational Fluid Dynamics ) 解析を開始した。その結果、振動を与えることにより、嗅裂の吸気の体積流量および壁面せん断応力(シアストレス)が顕著に増加する例が確認された。中鼻道の体積流量も増加していた。 今年度は副鼻腔への呼吸気流に対する振動の影響を検証するため、上顎洞各部位での流れのCFD解析をおこなった。具体的には、左右の上顎洞の軸位断(洞底部と洞頂部)2断面、前額断(内側および外側端)2断面と自然口部について、25, 50, 75,100Hzの振動気流を与えた条件下で体積流量および壁面せん断応力(シアストレス)についての副鼻腔CTでの解析をおこなった。その結果いずれの断面でも体積流量は、100-125Hzで最大となる傾向がみられた。また、壁面せん断応力は、洞頂部では75Hz、洞底部では125Hzで最大となる傾向を認めた。これらの結果から、流入空気の振動は、上顎洞への呼吸気流に影響を与え、鼻腔だけではなく副鼻腔粘膜に対してもメカノセラピーをおこなえる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で摘出ヒト鼻副鼻腔粘膜の初代培養が進まなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
正常だけではなくアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻茸などの上気道粘膜炎症疾患患者について鼻呼吸のCFD解析をおこない、自覚症状、局所所見、生理検査所見との比較検討し、鼻副鼻腔の炎症性疾患発症に対する気流の影響、振動条件下での変化について検索する。また、鼻茸の成因に気流がどのように関連しているかも含めて検討する。
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