研究課題/領域番号 |
20K09743
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
守本 倫子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児外科系専門診療部, 診療部長 (40286555)
|
研究分担者 |
要 匡 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, ゲノム医療研究部, 部長 (40264288)
柳 久美子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, ゲノム医療研究部, 研究員 (90294701)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 薬剤感受性遺伝子 / シスプラチン難聴 / 感音難聴 / 進行性難聴 / 小児固形癌 / 白金製剤 / 聴力障害 / 遺伝子多型 / 小児固形腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
小児固形腫瘍に対して使われる白金製剤による聴力低下は、人種や個人により併発することもあれば併発しないこともある。薬剤に対する感受性の違いに関わる因子が明らかにはなっていないため、難聴を予防することができない。近年この原因として、白金製剤の代謝に影響を与える遺伝子多型が関連している可能性が推測されている。そこで本研究では、聴力低下に関わる遺伝子素因や複数の治療に関わる危険因子について検討し、白金製剤による聴力障害のメカニズムを解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、小児固形腫瘍の治療に対して広く使用されている白金製剤で生じる難聴の原因について検討することを目的とした。同じ条件で白金製剤を使用しても難聴の程度に個人差があり、その原因が遺伝子多型に関連するのではないかと考えた。そこで白金製剤使用と難聴誘発の有無、海外で報告されている白金製剤に対する薬剤感受性遺伝子多型(TPMT,COMR,ACYP2)の有無について解析を行った。小児例123例のうち、TPMTは4人(難聴あり)とACYP2が6人(難聴あり2人) に認められ、ロジスティック回帰分析モデルでは遺伝子多型+薬剤投与量+低年齢が最も難聴に関連していると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年は化学療法後の生存率も高くなり、治癒後の社会生活を豊かに過ごすことが求められているものの、白金製剤による難聴のために生活に支障をきたすことも少なくない。難聴の程度にも個人差が明らかであるため、本研究では難聴の原因が遺伝子多型に関連するのではないかと考えた。結果として遺伝子多型があり、低年齢で薬剤投与量も多かった場合に難聴の危険性が高まることが明らかになった。この結果は将来を見据えて、治療として化学療法の選択をする際に資するものと考える。
|