研究課題/領域番号 |
20K09756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高原 潤子 岡山大学, 総合技術部, 技術専門職員 (80448224)
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研究分担者 |
前田 幸英 岡山大学, 大学病院, 講師 (00423327)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 急性感音難聴 / 蝸牛 / 転写因子 / 遺伝子発現解析 / RNA-seq / DNAマイクロアレイ / 音響外傷 / 次世代シークエンサー / リアルタイム / 神経情報伝達 / リアルタイムRT-PCR / Stat4 / Atf3 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
これ迄に我々は、急性感音難聴を発症したマウスの蝸牛では、おもに炎症・免疫機能にかかわる多数の遺伝子発現が変動すると示した。またその際、炎症・免疫機能を制御する分子である、転写因子Atf3, Stat4も変動していた。ここで転写因子とは、ゲノムDNAに作用して標的遺伝子の発現を制御する分子であるが、 多数の難聴関連遺伝子を中心的に制御する転写因子(マスター転写因子)を同定すれば、急性感音難聴の予後予測や治療法開発の有力なターゲットとなる。当研究では急性感音難聴を発症したマウスの蝸牛において、炎症・免疫機能を制御するマスター転写因子を探索し、Atf3やStat4に注目した解析をおこなう。
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研究成果の概要 |
音響外傷により急性感音難聴を呈したマウスの内耳(蝸牛組織)において、遺伝子発現をコントロ-ルすると考えられる転写因子を探索した。難聴発症後3-12時間の蝸牛組織では転写因子Atf3の発現量が8倍以上に著増していた。その際の発現は蝸牛組織の感覚上皮に認めた。また感覚細胞(有毛細胞)での発現は12時間後により明確であった。また発症12時間後に転写因子Stat4の発現には減少する傾向を認めた。Atf3やStat4は蝸牛以外の組織では、炎症・免疫に関係する遺伝子群の発現を制御するとしられている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性感音難聴は耳鼻咽喉科の臨床では比較的頻繁にみられ、かつ難治性の病態である。音響外傷により急性感音難聴を呈するマウスの蝸牛では、発症早期に炎症・免疫に関連する遺伝子群が多数変動するが、当研究で検討したAtf3等はそれらの遺伝子発現をコントロールする転写因子であると考えられる。これらの転写因子は、急性感音難聴の発症リスク予測法、治療法やその効果の予測法の開発において、有力な解析ターゲットとなる。
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