研究課題/領域番号 |
20K09767
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤村 裕正 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70444081)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | サッケード / 眼球運動 |
研究開始時の研究の概要 |
眼球運動制御には視覚情報に加え前庭からの情報(頭部の回転・傾斜、直線加速度)が必須である。本研究では、健常者・斜視・中枢疾患を有する被験者を対象に、前庭入力を変化(=頭位変換)させた場合の①追従眼球運動 ②サッケード ③前庭動眼反射 を定量的に測定する。得られた結果を神経生理学的に解析検討し、各種疾患と眼球運動制御という中枢機能との関連について新知見を得て、その病態解明に迫ることを目的としている。将来的には、耳鼻科領域、神経内科領域、リハビリ領域での応用へ発展させることを目標としている。
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研究成果の概要 |
眼球運動制御機構の理解を進めるため健常ボランティア群、中枢性脳幹障害および末梢性滑車神経麻痺を有する被験者で頭位変化を伴う眼位・眼球運動測定を行った。健常ボランティア群では座位に比べ左右側臥位で頭部座標系における左右方向性サッケードの最大速度の低下が認められた。左右の側臥位間では差を認めなかった。重力の作用方向ではなく、頭位変化がサッケードの最大速度に影響を及ぼすと考えられた。中枢性および末梢性眼球運動障害を呈した場合、末梢性障害では頭位変化による眼位への影響が認められなかった一方で、中枢性障害では上下斜視角に頭位変化の影響が認められ、その鑑別及び定量的評価が可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では座位という頭位を固定した状態での測定を中心とした従来のアプローチ方法と異なり、ヘッドマウント型眼球運動解析装置を用いることで、日常に近い頭位変化を伴う眼位・眼球運動の評価を行うことが可能であった。頭位変化が眼位・眼球運動へ及ぼす影響を見出しただけなく、その定量的評価が可能であることを示した。本研究は正常の生理学的見地のみならず、中枢性および末梢性眼球運動障害の鑑別といった、疾患の病態生理の見地からもアプローチを可能にすることで眼球運動制御機構の理解を進めることが可能であると考えられ、同時にリハビリ分野など他分野への応用も期待できる学術的・社会的に重要な研究であると考えられる。
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