研究課題/領域番号 |
20K09771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村岡 勇貴 京都大学, 医学研究科, 助教 (00739089)
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研究分担者 |
宮田 学 京都大学, 医学研究科, 講師 (00548505)
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 教授 (40402846)
宇治 彰人 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60534302)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | adaptive optics / OCT / AO-OCT / retina / macular edema / Muller cells / 補償光学 / 視細胞 / グリア細胞 / ミューラー細胞 / 細胞の生体イメージング / 網膜 / 毛細血管瘤 / 黄斑浮腫 / 糖尿病網膜症 / 網膜静脈閉塞症 / 網膜神経グリア / 補償光学OCT |
研究開始時の研究の概要 |
網膜循環疾患では、血液網膜柵の破綻により黄斑浮腫がしばしば生じ、その場合に重篤な視力障害が惹起される。近年の抗VEGF治療の導入によって、従来の方法に比べ強力に浮腫を制御できるようになってきたが、黄斑浮腫の再発や治療無効の問題にしばしば遭遇する。 OCTは網膜の層構造を生体でライブイメージングできる利点を有するが、従来型のこのOCTでは、網膜組織を構成する神経・グリアを細胞レベルでは解像できない。 本研究では、この網膜の神経・グリア細胞と、血管細胞との連関を生体で包括的に評価し、これらの変化が黄斑浮腫の形成と吸収の素過程にどのように関連しているのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
我々は、補償光学 adaptive optics (AO)を適用したoptical coherence tomography (AO-OCT) の開発に携わってきた。このAO-OCTを用いて正常眼、網膜循環疾患、その他網脈絡膜疾患を有する患者の黄斑部網膜の微細形態を評価した。ヒトの黄斑部網膜において、錐体視細胞やグリア細胞の個々の細胞の形態をヒト生体網膜において可視化し国際誌にて報告した 。また、黄斑浮腫に関する網膜のミュラー細胞形態の特徴を見出し、国内・国際学会にて報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ヒト網膜の細胞レベルでのリアルタイムイメージングが可能になるとともに、これらによって得られた網膜細胞所見と黄斑浮腫などの組織所見との関連が示され、眼疾患の診断・治療に新たな道筋を示された。また、個々の視細胞やミューラーグリア細胞の形態を初めて可視化したことで、眼科医療の精度向上が期待されるだけでなく、これらの細胞が果たす役割を理解することで、さまざまな視覚障害の治療法の開発につながる可能性がある。さらに、眼疾患に対する理解の進展は、患者のQOL向上につながるとともに、社会全体の視覚健康の向上に寄与する可能性がある。
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