甲状腺眼症の個別化医療を目的としたゲノムワイド関連解析

• 研究課題/領域番号: 20K09773
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分56060:眼科学関連
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 田邉 美香 九州大学, 大学病院, 助教 (90621293)
• 研究分担者: 秋山 雅人 九州大学, 医学研究院, 講師 (10757686) ; 田邉 真紀人 福岡大学, 医学部, 准教授 (60707305)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2022年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円); 2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
• キーワード: Thyroid eye disease / exhaustive gene search / 甲状腺眼症 / 遺伝子解析 / 甲状腺機能亢進症 / ステロイド治療 / ゲノムワイド関連解析 / 個別化医療

研究開始時の研究の概要

1．甲状腺機能亢進症で甲状腺眼症発症患者と非発症患者に対してゲノムの網羅的比較を行い、甲状腺眼症発症に関連する遺伝因子を同定する。
2．甲状腺眼症患者100人について、重症度、炎症の発症部位、発症年齢、性別、治療抵抗性と一塩基多型との関連を網羅的に解析する。
3．バイオバンクジャパンの公開データを用いて再現性の検証や統計解析を行う。
4．甲状腺眼症の遺伝子情報をもとに細分化し治療の個別化を図る。

研究成果の概要

これまで甲状腺眼症に関連する網羅的遺伝子検索は行われていない。今回、我々は甲状腺眼症の網羅的遺伝子解析を行い、患者個人にあった治療を提供できるようにすることを目的とした。
九州大学眼科で、甲状腺機能亢進症があり甲状腺眼症発症している群（A群）の採血を行い、福岡大学 内分泌・糖尿病内科で甲状腺機能亢進症があり甲状腺眼症非発症群（B群）の採血を施行した。外部委託先にて全期間で、A群130検体、B群46検体の遺伝子測定を行った。遺伝型測定後、バイオバンク・ジャパンで取得されたバセドウ病患者における遺伝型データと臨床情報を用いた解析により結果の再現性などについて検証を行う予定である。

研究成果の学術的意義や社会的意義

甲状腺眼症の網羅的遺伝子解析を行うことで、ステロイド治療に対する個人差を規定する治療感受性遺伝子を同定することで、ステロイド反応不良が予測される症例については別の治療を提案するなど、患者個人にあった治療を提供できるようになる。
また、現在、欧米では、甲状腺眼症に対する生物学製剤も認可されており、現在本邦でも臨床試験が行われており、今後の治療発展が目覚ましい疾患と考える。甲状腺眼症患者の遺伝子解析を行うことは、今後薬剤の治療対象を決定する上でも重要な情報になることが予想される。

研究成果

• [雑誌論文] High-risk HPV-related Squamous Cell Carcinoma in the Conjunctiva and Lacrimal sac (2022)
  • 著者名/発表者名: Hongo Takahiro、Yamamoto Hidetaka、Tanabe Mika、Yasumatsu Ryuji、Kuga Ryosuke、Miyazaki Yoshiko、Jiromaru Rina、Hashimoto Kazuki、Tateishi Yuki、Sonoda Koh-Hei、Nakagawa Takashi、Oda Yoshinao
  • 雑誌名: American Journal of Surgical Pathology 巻: Publish Ahead of Print 号: 7 ページ: 1-11
  • DOI: 10.1097/pas.0000000000001857
  • 査読あり
• [雑誌論文] 眼窩に発生した炎症性筋線維芽細胞性腫瘍の1例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 関瑛子, 田邉美香, 村上大輔, 空閑太亮, 空閑太亮, 山元英崇, 藤井裕也, 舩津治彦, 秋山雅人, 吉川洋, 園田康平
  • 雑誌名: 日本眼科学会雑誌 巻: 126(10) ページ: 820-826
  • 査読あり
• [雑誌論文] Defining High-Risk Retinoblastoma: A Multicenter Global Survey (2022)
  • 著者名/発表者名: Swathi K, Carol L S, Nathalie C, Francis LM, Guillermo C, Hans EG, Yoshikawa H, Ido Didi F, Jesse LB, John DM, Kahaki K, M Ashwin R, Manoj P, Tanabe M, Furuta M, Natalia G, Patricia Chevez-Barrios, Patricia S, Ralph CE Jr, Riffat R, Rosdali Díaz C, Sadia S, Sandra S, Shahar F, Suzuki S, Tatiana LU, Xunda Ji
  • 雑誌名: JAMA ophthalmology. 巻: 140 号: 1 ページ: 30-36
  • DOI: 10.1001/jamaophthalmol.2021.4732
  • 査読あり
• [雑誌論文] Two Cases of Angiosarcoma with Persistent Unilateral Eyelid Swelling (2022)
  • 著者名/発表者名: Sakisaka S, Tanabe M, Imayama S, Zeze N, Yamana K, Yoshikawa H, Sonoda KH
  • 雑誌名: Ocul Oncol Pathol. 巻: 8 号: 1 ページ: 16-21
  • DOI: 10.1159/000520293
  • 査読あり
• [雑誌論文] A case of primary orbital solitary fibrous tumor with lung metastases 41 years after initial treatment (2021)
  • 著者名/発表者名: Tanabe M, Yoshikawa H, Yuichi Yamada, Yoshinao Oda, Sonoda KH
  • 雑誌名: Orbit 巻: 10 号: 6 ページ: 1-5
  • DOI: 10.1080/01676830.2021.1954665
  • 査読あり
• [雑誌論文] Alveolar soft part sarcoma of the orbit: A case report (2021)
  • 著者名/発表者名: Oda T, Kikuchi K, Togao O, Baba S, Mizoguchi M, Tanabe M, Itoiu M, Yamamoto H, Ishigami K, Hiwatashi A
  • 雑誌名: Radiology Case reports. 巻: 16 号: 12 ページ: 3766-3771
  • DOI: 10.1016/j.radcr.2021.09.005
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 眼科医が見逃したくない甲状腺疾患 (2023)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 第127回日本眼科学会総会
  • 招待講演
• [学会発表] 眼部マントル細胞リンパ腫の5例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 砂田潤希, 田邉美香, 舩津治彦, 秋山雅人, 吉川洋, 園田康平
  • 学会等名: 日本眼形成再建外科学会学術集会
• [学会発表] 眼窩蜂巣状軟部肉腫の1例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香, 関瑛子, 福嶋正俊, 吉川洋, 溝口昌弘, 伊東守, 山元英崇, 菊池一史, 園田康平
  • 学会等名: 眼科臨床病理組織研究会
• [学会発表] 流涙症を契機に発見された涙道原発腺様嚢胞癌の１例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 藤井裕也, 田邉美香, 秋山雅人, 舩津治彦, 宮本雄介, 安松隆治, 吉川洋, 園田康平
  • 学会等名: 六大学合同眼科研究会
• [学会発表] 甲状腺眼症に対する新規治療薬 Teprotumumab (2022)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 第59回六大学合同眼科研究会
• [学会発表] 脈絡膜腫瘍の画像診断 (2022)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 日本眼科学会総会
  • 招待講演
• [学会発表] 放射線治療が有効であったVHLに伴う傍視神経乳頭血管腫の１例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 舩津治彦, 田邉美香, 秋山雅人, 向野利一郎, 吉川洋, 園田康平, 久保田敏昭
  • 学会等名: 日本眼腫瘍学会
• [学会発表] 当院で経験した脈絡膜骨腫9例の臨床像 (2022)
  • 著者名/発表者名: 砂田潤希, 田邉美香, 舩津治彦, 秋山雅人, 狩野久美子, 吉川洋, 木村和博, 園田康平
  • 学会等名: 第39回 日本眼腫瘍学会
• [学会発表] 日本人眼瞼基底細胞癌のエクソームシークエンス (2022)
  • 著者名/発表者名: 秋山雅人, 左野裕介, 田邉美香, 舩津治彦, 藤井裕也, 関瑛子, 吉川洋, 園田康平
  • 学会等名: 第39回 日本眼腫瘍学会
• [学会発表] The treatment of Thyroid Eye Disease: Current situation and challenges（甲状腺眼症に対する治療の現状と課題） (2021)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 第75回日本臨床眼科学会
• [学会発表] 眼窩疾患で生じる流涙症の診断・治療 (2021)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 第75回日本臨床眼科学会
• [学会発表] 眼形成手術の考え方 (2021)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 第14回東北眼科フォーラム
• [学会発表] 日常診療に役立つ眼腫瘍の基本 (2021)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 第71回山口眼科手術懇話会
• [学会発表] 眼窩疾患で生じる流涙症の診断・治療 (2020)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: 日本臨床眼科学会
• [学会発表] 眼窩内炎症疾患の診かた (2020)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 学会等名: FUKUOKA OPHTHALMIC SEMINAR
• [図書] 今日の眼疾患治療指針 第4版 (2022)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 総ページ数: 1184
  • 出版者: 医学書院
  • ISBN: 9784260048071
• [図書] OCULISTA 114 (2022)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 総ページ数: 90
  • 出版者: 全日本病院出版会
  • ISBN: 9784865191141
• [図書] プラクティス 5 (2022)
  • 著者名/発表者名: 関瑛子、田邉美香
  • 総ページ数: 288
  • 出版者: 文光堂
  • ISBN: 9784830656163
• [図書] 眼科疾患 最新の治療 (2022)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 総ページ数: 345
  • 出版者: 南江堂
• [図書] OCULISTA (2022)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 総ページ数: 150
  • 出版者: 全日本病院出版会
• [図書] 臨床眼科 増刊号 疾患別眼科診療ガイド (2021)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 総ページ数: 376
  • 出版者: 医学書院
• [図書] 眼科グラフィック (2021)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 総ページ数: 262
  • 出版者: メディカ出版
• [図書] 眼科鑑別診断実力アップQ&A (2021)
  • 著者名/発表者名: 田邉美香
  • 総ページ数: 277
  • 出版者: 南江堂