研究課題/領域番号 |
20K09779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森 和彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (40252001)
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研究分担者 |
田代 啓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263097)
中野 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70381944)
池田 陽子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00433243)
上野 盛夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40426531)
佐藤 隆一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30717533)
吉井 健悟 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90388471)
今井 浩二郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70728443)
外園 千恵 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30216585)
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 緑内障 / 眼遺伝学 / 視野進行 / クラスター解析 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のゲノムワイド関連解析による緑内障関連遺伝領域報告は、いずれも疾病発症に関するものであり、重症化を含めた表現型の違いに対する遺伝的リスク要因を検討した報告は少ない。我々は6,800例を超えるゲノム情報と30年以上の高品質臨床情報を有していることから、本研究では機械学習により緑内障臨床情報を類型化するソフトウェアを開発、既知ゲノム情報とリンクさせたクラスター解析を行うことで、遺伝解析の統計的検出力を高め、広義原発開放隅角緑内障発症ならびに重症化における遺伝的要因と環境的要因の関与を明らかにするのみならず、汎用的な臨床情報のクラスター解析法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
緑内障は慢性的に進行し失明に至る疾患であり、依然として本邦における中途失明原因の第1位である。ゲノムワイド関連解析により数多くの緑内障関連遺伝領域が報告されており、申請者らも正常眼圧緑内障の有意なバリアントを報告してきたが、従来の報告はいずれも疾病発症に関する解析であり、重症化を含めた表現型の違いに対する遺伝的リスク要因を検討した報告は少ない。本研究では、機械学習により緑内障臨床情報を類型化するソフトウェアを開発、既知ゲノム情報とリンクさせたクラスター解析に加えて、PRS手法を取り入れた遺伝解析を行うことで、遺伝解析の統計的検出力を高め、広義原発開放隅角緑内障 (POAG)発症ならびに重症化における遺伝的要因と環境的要因の関与を明らかにするとともに、汎用的な臨床情報のクラスター解析法の確立を目指している。これまでの研究において、進行リスク判定方法として3つの手法を検討し、それら単独と組合せにより有意SNPがどのように変化するかを解析、臨床的に必要と判断された緑内障手術施行時点をイベントとする解析を重視しつつ、3者を組み合わせることによって良好な進行判定効率が得られることが明らかとなった。 しかしながら昨今、低侵襲緑内障手術が進歩してきており、術式によりイベント発生のタイミングに差異が生じてきている。すなわち緑内障手術をイベントとする解析では必ずしも重症例を把握できているとは限らなくなっており、イベント解析において術式差による再検討を行う必要があると考えられた。そのため、これまでにゲノム情報を取得している全緑内障症例の見直しを行い、緑内障手術を施行した症例について、術式情報をKyoto Glaucoma Registryから抽出、ゲノム解析に利用することとした。その結果、術式によって有意なSNPが変化する可能性が明らかとなり、最適な組合せ方法を再検討する必要が生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨今、低侵襲緑内障手術が進歩してきており、緑内障手術をイベントとする解析では、術式によりイベント発生のタイミングに差異が生じて、必ずしも重症例を把握できているとは限らなくなっている。イベント解析において、術式差による再検討を行う必要があると考えられたため、これまでにゲノム情報を取得している全緑内障症例の見直しを行い、緑内障手術を施行した症例について術式情報をKyoto Glaucoma Registryから抽出、ゲノム解析に利用することとした。その過程で術式データが入力されていない症例を発見し、再度、臨床データにさかのぼって確認する必要が生じたため、研究の進捗における遅れを生じることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
術式情報を加味した進行判定プログラムを作成し、これまでの結果との差異を検討する。またそれぞれの進行判定プログラムから得られる有意なSNPの変化を明らかとし、最適な組合せ方法を再検討する。結果次第で適宜、研究計画の見直しを行い、修正が必要であった術式情報などの臨床情報を元に、当初計画していたケースコントロール相関解析のpolygenic risk score (PRS)の手法での 使用SNP数の検討を詳細に行い、より判別効率の高い新たな解析手法と本研究の当初の予定である臨床情報クラスタリング手法を統合してゆく。
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