研究課題/領域番号 |
20K09780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2022) 東京歯科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
平山 雅敏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (90528473)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 涙腺 / 再生医学 / ドライアイ / 涙液 / 発生学 / 再生医療 / 細胞外小胞 / シグナル伝達 / エキソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
高齢社会、高度情報化社会の到来により、失明を克服し視機能を維持することは、国民の健康な生活においてますます重要となっている。涙腺は眼表面に涙液を分泌し、眼表面を保護することにより視機能に不可欠な役割を果たす。涙腺機能不全による涙液量減少(ドライアイ)は視機能異常を引き起こし、重度の場合、角膜輪部機能不全や角膜移植術後において失明に繋がる予後増悪因子として重要である。涙腺再生の技術開発は、これまでも着実に進んでおり、本研究では涙腺の三次元再生と涙腺機能の新規バリデーション手法の確立を目指して、エキソソームによるシグナル伝達を軸とした新たな涙腺機能解析系を確立する。
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研究成果の概要 |
涙腺は眼表面に涙液を分泌することで眼表面上皮の恒常性を維持する。本研究では、まずマウス涙液を用いて涙液中の細胞外小胞の解析を行った。その結果、涙液中にエクソソームをはじめとする細胞外小胞が存在し、角膜上皮細胞において恒常性にかかわる可能性が示唆された。また、涙腺上皮特異的遺伝子発現により、角膜上皮オルガノイドの形態変化や羊膜由来細胞における涙腺上皮マーカーの発現増加などが可能であることが明らかとなり、他系統細胞からの涙腺細胞誘導の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
涙液中には水分だけでなく、涙液タンパク、電解質、サイトサインなどの液性因子を含んでいる。涙腺機能の障害による涙液量の低下は、涙液水分、液性因子の不足を引き起こし、ドライアイなどの眼表面上皮障害の原因となる。本研究は、これまでなされていなかった涙腺機能と一部である液性因子分泌機能の新規評価手法を確立した。マウス涙液をモデルに、涙液中にエクソソームなどの細胞外小胞が含まれることを明らかとし、眼表面上皮の維持に貢献する可能性を示した。さらに、三次元角膜上皮オルガノイドや他系統由来細胞を用いて、多能性幹細胞以外からの涙腺再生の実現可能性について明らかとした。
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