研究課題/領域番号 |
20K09782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
林 寿来 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30533715)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 血管新生 / 細胞外小胞 / 間葉系幹細胞 / 酸化ストレス / エクソソーム / 脈絡膜血管新生 / 脈絡膜 / 上皮バリア / 組織修復 / 細胞外傷小胞 / 加齢黄斑変性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、酸化ストレスが誘導する滲出型加齢黄斑変性に対して、移植間葉系幹細胞が発揮する組織再生の要因としてエクソソームに着目し、その修復効果を解析するとともにエクソソーム中の蛋白質分子、microRNA分子を同定して機能を明らかする。さらに、治療効果を検討する。そのために以下の計画を実行する。(1)作成する加齢黄斑変性モデルマウスに対してエクソソームを投与し、その組織修復効果を解析する。(2)エクソソームが内包する蛋白質分子、microRNA分子を同定する。(3)同定した機能分子をエクソソームにPackingしモデルマウスに投与、組織再生修復に効果があるのかについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
滲出型加齢黄斑変性は脈絡膜血管新生を伴い主要な失明原因である。本研究では、骨髄由来間葉系幹細胞から細胞外小胞(MSC-EV)を独自手法で分離し、MSC-EVが脈絡膜血管新生や網膜障害に効果を示すのか、またその分子機構解明を試みた。MSC-EVは、酸化ストレスが誘導するROS活性および細胞毒性の低減、血液網膜関門の修復を行うことを確認された。脈絡膜血管新生のマウスモデルに対するMSC-EVの硝子体への投与は、新生血管の縮小・退縮、ミクログリアの集積低下、炎症マーカーの発現低下効果が認められた。ESC-EVは酸化ストレスの低減や抗炎症効果を通じて、脈絡膜血管新生を抑制することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脈絡膜血管新生を伴う滲出型加齢黄斑変性は失明の原因であり、近年急速に増加しつつある。加齢や環境により酸化ストレスが蓄積した結果、黄斑部障害、炎症惹起、そして血液網膜関門の破綻、やがて脈絡膜血管新生が滲出型加齢黄斑変性につながると考えられている。間葉系幹細胞由来の細胞外小胞(MSC-EV)は眼疾患に対する効果を本研究で明らかにした。MSC-EVは抗酸化ストレス・抗炎症、バリア修復といった網膜の保護修復作用が認められ、その結果として脈絡膜血管新生を抑制することが考えられた。従来の新生血管を標的とする分子標的薬や抗体療法に加えて、MSC-EV投与による滲出型加齢黄斑変性に対する治療効果が期待される。
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