研究課題/領域番号 |
20K09783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平岡 孝浩 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30359575)
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研究分担者 |
三橋 俊文 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (20506266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 近視 / 脈絡膜厚 / 眼軸長 / 周辺部 / 広角 / OCT / 非対称 / 学童 / メカニズム / 脈絡膜 / 眼球形状 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、脈絡膜が近視研究の標的となり、様々な研究が行われているが、革新的な結果は得られていない。原因として、眼球後極部の解析が行われてきたことが挙げられる。本研究では周辺部に着目し、近視進行と周辺部眼球形状の関連を明らかにすることを目的とする。現行の測定機器に改良を加え眼球周辺部まで評価可能な広角OCTを試作し、周辺部の網膜・脈絡膜の厚み解析および血流解析を実現する。そして調節負荷により周辺部網膜および脈絡膜への短期的な影響を明らかにする。また近視学童において、上記の経時変化と眼軸長伸長の関連を明らかにする。取得データから総合的な眼球形状変化を解明し、新たな近視進行メカニズムを提唱する。
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研究成果の概要 |
広角SS-OCTを用いて,成人30眼の平均脈絡膜厚(ChT)を黄斑部,耳側部,鼻側部で測定した.黄斑部>鼻側部>耳側部という順で,部位間の有意差を認めた.また,ChTは黄斑部と耳側部において等価球面度数(SE),眼軸長(AL)と有意な相関を示したが,鼻側部では関連が見られなかった. 次に,学童180眼の測定を行った.やはり,黄斑部>鼻側部>耳側部という順で,部位間の有意差を認めた.また,ChTは黄斑部と耳側部においてSE,ALと有意な相関を示したが,鼻側部では関連が見られなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脈絡膜厚は黄斑部 > 鼻側部 > 耳側部の順に分厚いことが判明し,黄斑部・耳側部の脈絡膜厚は眼軸長・等価球面度数と相関することも明らかとなった.しかし,鼻側部には相関関係が見られなかった.以上から,非対象な脈絡膜厚分布が非対称な眼球発育をもたらしている可能性が示唆された.この知見は世界初であり,近視進行のメカニズム解明に大きな前進をもたらしたといっても過言ではない.また周辺部脈絡膜を測定することにより将来的な近視進行を予測できる可能性も示された.つまり周辺部脈絡膜が近視進行のバイオマーカーとなる可能性が高く,より効果的な近視抑制治療の実現に近づいたといえ,その社会的意義も極めて大きいと考える.
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