研究課題/領域番号 |
20K09788
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 智昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (50549095)
|
研究分担者 |
大音 壮太郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (10511850)
池田 華子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (20372162)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 糖尿病網膜症 / 糖尿病黄斑虚血 / 網膜変性 / 細胞外小胞 / 細胞外ミトコンドリア / XRCC5, XRCC6 / 網膜色素上皮 / 糖尿病黄斑浮腫 / 自己免疫 / 橋渡し研究 / 微小小胞 / 神経変性 / 自己抗体 / OCT angiography / 抗fumarase抗体 / 抗hexokinase 1抗体 / 視細胞障害 / 光干渉断層計アンギオグラフィー / 補体 |
研究開始時の研究の概要 |
(A) 抗網膜抗体のバイオマーカーとしての有用性 糖尿病網膜症における抗網膜抗体を包括的に同定し、獲得免疫が惹起されるメカニズムを絞り込む。また、これらの自己抗体のバイオマーカーとしての有用性を検討する。 (B) 自然免疫に関する臨床的プロファイリング ヒトの自己免疫疾患における自然免疫で重要な役割を果たすDAMPs、PRR、インフラマソームを中心に、臨床サンプルにおける定量的評価を行う。 (C) 動物実験を用いた橋渡し研究 臨床サンプル中の自己抗体やDAMPを精製し、モデル動物に投与し、機能評価を行う。重要な分子メカニズムに関しては、治療標的となる可能性を検討する。
|
研究成果の概要 |
我々は糖尿病黄斑虚血において、intercapillary spaceを新たに自動定量し、臨床的な意義が高いことを示した。また、hyperreflective walls in foveal cystoid spacesを新たに見出し、治療抵抗例となるサインであり、変性との関連が示唆された。 自然免疫を強く刺激する物質として細胞外ミトコンドリアに着目し、DNA依存性に細胞障害を惹起することを示した。新たなDNA受容体として、XRCC5, XRCC6を同定し、そのシグナル伝達を阻害すると、細胞障害を軽減できることも分かった。これらは、自己免疫による神経障害に対する新たな治療標的となる可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、糖尿病網膜症における血管と神経の変性に関する臨床的特徴の一部を明らかにした。また、細胞外ミトコンドリアによる神経変性のメカニズムの一端を解明した。これらの結果は、現在治療方法が存在しない糖尿病による網膜変性の診断基準の確立と治療方法の探索に大きく寄与するものであった。また、網膜には免疫寛容があると従来考えられていたが、実際は、自然免疫と獲得免疫が生じうることを新たに見出し、寛容は相対的なものであることを明らかにしたことは、学術的意義が高い。
|