研究課題/領域番号 |
20K09790
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
徳田 和央 山口大学, 大学院医学系研究科, 学術研究員(寄附金) (50266863)
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研究分担者 |
清木 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226619)
藏滿 保宏 北海道医療大学, 医療技術学部, 教授 (50281811)
木村 和博 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60335255)
徳田 信子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70227578)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 内在性幹細胞 / 網膜再生 / タンパク質リン酸化 / アクチンダイナミクス / CRMP / リン酸化制御 / 内在性網膜前駆細胞 / シグナル伝達 / 幹細胞活性化 / Zebrafish / リン酸化制御酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
黄斑部の神経細胞の変性により失明に至る網膜疾患に対し、本質的な機能回復のためには、神経細胞を補填する治療法の開発が必要不可欠である。iPS細胞などの実用化に期待がもたれる中、申請者は、モデル動物の内在性網膜幹細胞を活性化する方法を確立し、活性化に関与するタンパク質CRMP群を同定した。CRMP群は、ヒトを含めた異なる種間で高い相同性がある。更に、タンパク質修飾を解析し、新たなCRMP群のリン酸化部位を複数発見した。本研究では、失明疾患に対し、CRMP群のリン酸化制御により、自己の内在性網膜幹細胞をそのまま眼内で活性化する、低リスク網膜再生法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
低濃度のグルタミン酸を用いて、内在性の網膜前駆細胞を活性化し、活性化に関与する網膜内のタンパク質群を同定し報告を行っている。同定したタンパク質群を制御する因子や、細胞を取り巻く代謝関連因子、エネルギー因子や制御因子の解析に関する研究を進めた。 研究実施計画に基づき、眼内の内在性前駆細胞の活性化のメカニズムの解明を行った。細胞を用いた解析では、網膜から細胞を単離した複数の種類の生体細胞を用いて、共培養や特殊な培養シートを用いた3次元的に培養をシステム化したモデルで行った。また、生体においては自己網膜再生能を有するZebrafishを用い、同定したタンパク質群の遺伝子の発現を制御して、網膜前駆細胞の活性化と形態変化並びに細胞内シグナル分子の核内移行などの解析を行った。 内在性幹細胞の活性化時には、血清応答因子(SRF)に結合して転写を制御するSRFコファクターのうち、Myocardin-related transcription factor-A(MRTF-A)の細胞内局在変化や、レチノイン酸受容体作動薬の一つであるRetinoic acid receptor alpha(RAR-α)、細胞接着分子や分泌タンパク質などの細胞外基質の変化が見られた。一連のシグナル群が網膜内のタンパク質群の発現や、リン酸化が細胞骨格、特にアクチンダイナミクスにも相互に関与している可能性が示唆された。網膜の内在性神経前駆細胞を活性化時の、細胞のリプログラミングを促進する細胞内制御機構のネットワークの一部が明らかになった。
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