研究課題/領域番号 |
20K09800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
日下 俊次 近畿大学, 医学部, 教授 (60260387)
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研究分担者 |
國吉 一樹 近畿大学, 医学部, 准教授 (30234470)
杉岡 孝二 近畿大学, 大学病院, 准教授 (50399119)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 未熟児網膜症 / 線維化 / サイトカイン / 血管内皮増殖因子 |
研究開始時の研究の概要 |
小児失明原因の第一を占める未熟児網膜症に対する有効な治療法として、今後増加が予想されるのは抗血管内皮増殖因子(VEGF)治療である。しかし、抗VEGF治療後に増殖膜の線維化が進行し、牽引性網膜剥離の発生を生じる症例があることが問題である。今回の研究では未熟児網膜症における抗VEGF治療後の増殖膜の線維化のメカニズム、および増殖膜線維化を抑制できる治療法の開発を目標として研究を進める。
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研究実績の概要 |
未熟児網膜症は小児の失明原因第一を占める重要な疾患である。2019年11月に本疾患に対する抗血管内皮増殖因子治療薬としてranibizumab(ルセンティス)が承認され、重症未熟児網膜症の治療予後改善が期待されている。しかし、抗血管内皮増殖因子治療後に増殖膜線維化が進行し、牽引性網膜剥離の発生、増悪を生じる症例があり、今後の問題になると予想されている。 そこで今回の研究では未熟児網膜症における増殖膜の線維化、およびそれに伴う病態悪化に着目し、それに関与する種々のサイトカインや抗血管内皮増殖因子治療による影響を明らかにしたいと考えている。2020年度は臨床例からの検体採取を行った。具体的にはご両親に研究計画の説明、検体採取のリスク等を説明した上で、書面による同意を得て、未熟児網膜症に対して硝子体手術を行った5例8眼から硝子体液を採取した。採取した硝子体液は急速冷凍し、deep freezerで保存している。なお、当該年度の症例では増殖膜を採取できる症例がなく、これに関しては2021年度以降で適切な症例があれば検体採取を行う予定である。今後も症例を積み重ね、10例程度の検体が出そろった段階で、硝子体内の種々のサイトカイン量測定をELISAキットにて行う予定である。また、それらの症例の術時の線維化の程度や術前の処置としてranibizumab(抗血管内皮増殖因子)が硝子体内に投与された症例があるので、術前ranibizumab投与の有無と種々の差サイトカインの関連も検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例からのサンプル採取は14眼あり、想定よりやや多いペースとなっている。これは東京で手術を行える施設が一時無くなったため、当院に症例が集中したためと考えている。しかっし、未熟児網膜症モデルマウスによる検討はいまだ準備段階で開始できていない。理由は前年度と同様に大学院生の出産と育児休暇期間延長、もう一名の大学院生が関連病院に出向となったためです。令和5年度中に一名は復帰予定なので、実験開始に向けて準備を進めて行きたい。
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今後の研究の推進方策 |
症例からのサンプル採取は従来通り進め、最終年度にまとめて解析する予定である。未熟児網膜症モデルマウスを用いた抗VEGF治療に伴うサイトカイン変動については院生が復帰次第進める予定である。
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