研究課題/領域番号 |
20K09807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
羽室 淳爾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (80536095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 網膜色素上皮細胞 / マイクロ / ミトコンドリア機能 / miR-494-3p / 細胞外小胞 / 加齢黄斑変性 / マイクロRNA / 核酸医薬 / マクロファージ / 加齢黄斑変性症 / エキソソーム / エキソゾーム |
研究開始時の研究の概要 |
核心をなす問は下記3点に集約される。①Mps/RPE間の細胞干渉を介在する細胞外微粒子包含分子種は何か。②AMD治療薬として限界がありながらも用いられている抗VEGF抗体治療を代替できるような血管新生/Subretinal線維化の阻害作用にどう係るのか、③我々の見出したMps/RPE間の細胞間干渉をAMD病態に関与するとされる酸化ストレスがどの様に攪乱するか。期待する成果は、網膜下組織炎症における脈絡膜浸潤MpsとRPE 間の相互細胞干渉による機能変性を分子動態レベルで解明し、新規創薬標的の創出につなげるPOCを確立することである。
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研究成果の概要 |
加齢黄斑変性は先進国における成人の失明原因第一位を占める。治療の主流はVEGF阻害薬である。発症早期の病態を標的とする診断・治療法は現存しない。ヒトマクロファージ(hMps)とiPS由来ヒトRPE(iPS-hRPE)細胞の共培養系でもIL-6、MCP-1、VEGFの産生は高進し、同時に、CD63陽性細胞外小胞(EV)産生が増加すること、EVを透過させない膜を装着した系では、本産生増強は消失し、細胞間相互作用にEVが関与する。hMpsとの相互作用でRPE細胞から産生高進されるmiR-494-3pの遊離増加がPTEN/PI3K 信号伝達系を介して近傍RPE細胞のミトコンドリア機能修飾に関与する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、RPEとMps間の細胞間ネットワークの破綻によるRPE細胞のミトコンドリア機能変性をAMDの早期病態の実態とする新概念である。病態増悪経路に細胞外小胞(EV)が関与することを明らかにし、miR494-3pを機能分子として同定したことは世界初である。本研究で確立した擬似モデル系を創薬探索系として活用することで、早期診断技術と併せてコンパニオン診断薬への道も拓かれる可能性も秘める。RPE細胞のミトコンドリア機能不全を修復する新規作用機序を持つAMD治療に繋げられる可能性がある。安価安全な医療・早期診断技術開発の基盤を構築するものである。
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