研究課題/領域番号 |
20K09808
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
臼井 智彦 国際医療福祉大学, 医学部, 教授(代表) (80282557)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 角膜ジストロフィ / CRISPR-Cas9 / 遺伝性角膜疾患 / 遺伝子治療 / CRISPR/Cas9 / TGFBI |
研究開始時の研究の概要 |
角膜は透明であることが健全な視機能維持の必須条件の一つであるが、様々な疾患で角膜混濁が生じる。TGFBI角膜ジストロフィはTGFBI遺伝子の点変異により生じる遺伝性疾患であり、角膜実質に沈着性の角膜混濁を生じる。本疾患群はレーザーや角膜移植などの治療を行っても再発が生じる難治疾患である。本研究では、CRISPR-Cas9という遺伝子編集技術を応用し、角膜ジストロフィに対する遺伝子治療を開発する。またTGFBI変異による角膜混濁のメカニズムの検討も行う。本研究を基盤として、TGFBI関連角膜ジストロフィのみならず、様々な眼遺伝性疾患に対する根治療法の開発への展望が開けると考えられる。
|
研究成果の概要 |
代表的な遺伝性角膜疾患であるTGFBIジストロフィに対し、CRISPR-Cas9を用いた角膜局所遺伝子編集の開発を行った。GFPマウスやGFP細胞を用いて検討を行った後、角膜ジストロフィモデルマウスの角膜にTGFBI遺伝子を切断するウイルスベクターを作成し導入したところ、角膜においてTGFBIの発現が抑制された。 また混濁が除去できても視機能が改善しなければ意味がない。代表的なTGFBIジストロフィである顆粒状角膜ジストロフィ(GCD)と格子状角膜ジストロフィ(LCD)の角膜混濁の視機能に及ぼす影響について検討したところ、LCDでは角膜後面の乱視がGCDでは散乱が視力と相関した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
角膜ジストロフィに対しては現時点で根治療法はなく、角膜移植やレーザーなどの外科的に混濁を切除するしか方法がない。しかし移植をしても必ず再発が生じてします。本研究は角膜ジストロフィに対して根治療法を可能にする画期的な取り組みである。また角膜ジストロフィ患者がどのような視機能異常を呈しているのかに関しても全くわかっていなかったため、今回臨床研究も行い、混濁の除去のみならず、角膜の不整も改善しないことには視機能の改善が難しい例があることもわかった。 今後これらの研究がさらに発展することにより、遺伝性疾患で苦しむ方への一助となると考えられる。
|