研究課題/領域番号 |
20K09813
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
堀 純子 日本医科大学, 医学部, 教授 (60251279)
|
研究分担者 |
武田 彩佳 日本医科大学, 医学部, 助教 (20804610)
仲野 裕一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (70867978)
國重 智之 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60516045)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 免疫チェックポイント / 免疫特権 / 移植拒絶反応 / 血管リンパ管新生 / TIM4 / ICOS / ICOSL / 眼免疫特権 / 角膜炎症 / 網羅的サイトカイン解析 / 角膜移植 / 拒絶反応 / 制御性T細胞 / 眼炎症 / 移植 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、眼内炎症の制御に関与する分子群と制御性T細胞の機能解析を行い、移植眼や炎症眼に人為的に免疫抑制性微小環境や末梢性免疫寛容を誘導することにより、移植組織の生着と長期の炎症制御を促し、機能を再生させる新しい 分子治療を展開する。正常眼は、脳や生殖器官と同様に、臓器内の炎症が自動制 御される「免疫特権」を有しており、「免疫チェックポイント」分子群のネットワークをもつことを我々は研究してきた。炎症眼に「免疫特権」を人為的に再建することで、移植医療のみならず、強膜炎やぶう膜炎などの難治性の自己免疫性眼炎症疾患への応用を期待できる。
|
研究成果の概要 |
新規免疫チェックポイントであるTIM4とICOS/ICOSLの機能について下記のように明らかにした。 TIM4は、正常角膜内の骨髄由来細胞には発現していないが、角膜移植後の浸潤細胞に発現することがわ かった。さらに、TIM4は角膜移植後のエフェクターCD4T細胞の浸潤を抑制し、拒絶反応に抑制的な役割をもつ。 ICOSは、抗原非特異的炎症時の角膜血管リンパ管新生において角膜内VEGFA, IL1β, IL2, IL6, IL10, IL17A, TNFα, IGF1, PDGF発現を抑制し、活性化F4/80+マクロファージ表面のVEGFR1とCCR2の発現を抑制することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイントは本来、眼、脳、生殖器官といった高度な生命活動に必須の臓器に多く発現し、その臓器内の炎症を抑制して恒常性 を維持する。ゆえに、この3つの臓器は免疫特権臓器と呼ばれる。 本研究で示したTIM4, ICOS/ICOSLは, 我々の研究により初めて眼内炎症制御機能が明らかになった免疫チェックポイントである。これらの分子は、眼内細胞に発現して眼内炎症を抑制する役割を もつ。中でもICOS/ICOSLは、抗原特異的炎症のみならず、抗原非特異的炎症時の血管リンパ管新生も抑制する。移植医療や自己免疫疾患のほか、創傷や異物などの反応性炎症に対する新しい治療にも応用が期待できる分子である。
|