研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ぶどう膜炎の主要な原因疾患であるベーチェット病およびサルコイドーシスを対象に、「ゲノム解析」と「トランスクリプトーム解析」を統合したマルチオミックス解析を実行し、各疾患の遺伝要因を網羅的に同定する。その後、同定した遺伝情報を基に、遺伝要因(疾患感受性遺伝子)の機能解析を実行するとともに、疾患の発症に関与するパスウェイ解析も行い、両疾患の発症機序および病態の全容を明らかにする。
本研究において、ベーチェット病とサルコイドーシスを対象に、「ゲノムワイド関連解析」と「トランスクリプトーム解析」を統合したマルチオミックス解析を行い、ベーチェット病とサルコイドーシスの発症リスク、重症度および臨床症状の形成に関与する新規遺伝要因の候補を網羅的に同定した。同定した遺伝情報を基に、遺伝要因を対象とした機能解析およびパスウェイ解析を行い、同定した遺伝要因が関与するベーチェット病とサルコイドーシスの発症パスウェイを見出した。
両疾患の多様な臨床症状の形成には遺伝要因が影響していることが示唆されている。したがって、既知および本研究で同定される遺伝要因と各疾患の臨床症状の相関性を検討することで、両疾患において、遺伝要因を用いた臨床症状分類が構築されることが期待される。遺伝要因を用いた臨床症状分類が構築されることで、疾患の発症初期段階での遺伝子検査で、今後形成し得る臨床症状の予測が可能になり、患者への早期の適切な治療に繋がることが期待される。また、本研究の成果を基に、同定した遺伝要因および発症パスウェイを標的とした医薬分子を網羅的にスクリーニングすることで、患者個々の遺伝要因に応じた治療薬の開発も可能になる。
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すべて 国際共同研究 (15件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
JAMA Ophthalmology
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10.1001/jamaophthalmol.2020.6985
Communications Biology
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