研究課題/領域番号 |
20K09841
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大澤 昌之 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (70625029)
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研究分担者 |
舟山 恵美 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10533630)
山本 有平 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70271674)
前田 拓 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80813542)
石川 耕資 北海道大学, 大学病院, 助教 (60791374)
林 利彦 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (00432146)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / 低酸素応答 / HIF-1α / 下肢慢性創傷 / マウス / 創傷治癒 / 慢性創傷 |
研究開始時の研究の概要 |
創が治癒する際には、酸素環境が重要であり、組織に酸素供給が足りない状態では治癒が遷延する。生体は低酸素状態に適応するため、HIF-1αを発現することで酸素を運ぶ血管を増やしたり細胞増殖を促している。慢性創傷(治癒が遷延している傷)ではその機能が破綻し、HIF-1αの発現量は低下している。近年薬剤によってHIF-1αの発現を増加させる治療が貧血や、心疾患において試みられつつあるが、高齢化に伴い患者が急増している慢性創傷治療に応用できると考え、慢性創傷におけるHIF-1αの役割をマウス下肢慢性創傷モデルを用いて明らかにし、薬剤によるHIF-1αの発現増強を利用した新しい下肢慢性創傷治療を開拓する。
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研究成果の概要 |
生体は低酸素状態に対する適応応答としてHIF-1α (hypoxia inducible factor-1 alpha) を発現する。本研究は、マウスの後肢リンパ浮腫モデルを用いてHIF-1α調整薬剤の与える影響を検証し、慢性創傷を含むリンパ浮腫の病態に対する治療法の開発を目的とした。本研究において、マウス後肢リンパ浮腫モデルにHIF-1α安定化薬であるRoxadustatを投与し、後肢周径の変化、リンパ流変化、組織病理学的変化、遺伝子発現等の変化の有無について検討した結果、Roxadustatはリンパ管新生を促し、リンパ浮腫に対する治療的効果がある可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ浮腫患者は創傷ができやすく、治癒が遅延するため頻繁に蜂窩織炎などの合併症を起こし、治療に難渋することが多い。リンパ浮腫では、細胞障害、免疫低下、感染など複雑な病態で創傷治癒が遷延するとされ、随伴症状治療の観点からも有効な治療法の開発が望まれている。 本研究では、Roxadustatはマウス後肢リンパ浮腫モデルにおいて、リンパ管新生因子の発現およびリンパ管数を増加させ、浮腫の後肢周径の減少、リンパ流のうっ滞の改善効果を発揮することを示した。これらの結果はRoxadustatがリンパ浮腫治療薬として有望であることを示唆しており、リンパ浮腫に対する薬剤治療の可能性を拓くものである。
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