研究課題/領域番号 |
20K09842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
下寺 佐栄子 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10868227)
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研究分担者 |
館 正弘 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (50312004)
菅野 恵美 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10431595)
丹野 寛大 東北大学, 医学系研究科, 講師 (10755664)
高木 尚之 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30569471)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Biofilm / クオラムセンシング / 好中球 / 免疫 / 慢性創傷 / クオラムセンシング機構 / 難治性皮膚潰瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
Biofilm形成には免疫と細菌間クロストークの関与が予想されるが、詳細なメカニズムは不明であり、免疫をターゲットとした治療法もみられない。好中球がBiofilmの誘導に関わることが指摘され始めているが、Biofilm誘導因子は明らかではない。本研究では、好中球由来因子として、Biofilm構成成分であるDNA、Biofilm破壊に働くα-mannosidaseについて解析し、慢性炎症の主因をなす好中球と細菌間クロストークを断ち切る治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
申請者らは難治性皮膚潰瘍におけるBiofilm形成への免疫と細菌間クロストークの関与について解明し、新規治療法の確立を目指している。緑膿菌クオラムセンシング分子3-oxo-C12-HSLを創傷部位に投与後、TNF-α産生を伴い創傷に大量の好中球が集積した。次に3-oxo-C12-HSLの働きを阻害するanti-3-oxo-C12-HSL抗血清を用いて解析を行ったところ、この抗血清投与群では、再上皮化、創部への好中球集積、TNF-α産生が優位に減弱することを確認した。以上より、anti-3-oxo-C12-HSL抗血清を用いた免疫を介したバイオフィルム阻害の可能性が導かれた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長年、Biofilmが皮膚潰瘍難治化の主因として注目されている。皮膚潰瘍部から機械的に除去しても、数時間以内に再形成され、既存の治療では制御できず、急激に進行する感染症例が報告されている。 Biofilmは細菌の生存戦略の一つであり、免疫と細菌間クロストークの関与が予想されるが、免疫をターゲットとした治療法はみられない。潰瘍部への好中球添加により、Biofilm形成の促進が報告されていることから、好中球遊走を促す細菌因子を特定し、阻害することにより、Biofilm制御が可能になると考える。Biofilm関連感染症は、尿路感染、カテーテル感染など多岐にわたることから、その意義は計り知れない。
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