研究課題/領域番号 |
20K09848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
戸澤 麻美 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (70635531)
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研究分担者 |
村上 正基 愛媛大学, 医学系研究科, 特任教授 (20278302)
森 秀樹 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (60325389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HMGB1 / 創傷治癒 / 糖尿病 / LL37 / 抗菌ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
遷延性皮膚潰瘍の中でも糖尿病足病変は糖尿病患者の2.2~5.9%に発生する合併症の一つであり、再発率が高く、7-20%が下肢切断に至る。 近年、糖尿病患者の創傷治癒遅延の原因の一つとして、核内タンパクであるHMGB1(High mobility group box 1)と、皮膚抗菌ペプチドの一つであるCathelicidin(LL37)が減少していることが報告されている。我々は表皮角化細胞の研究において、この2つの物質が密接に関わっていることを独自に発見しており、病原菌増殖抑制効果(LL37)と創傷治癒促進効果(HMGB1)の両者を保持した糖尿病足病変に対する新しい治療方法の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
HMGB1およびLL37含有軟膏による糖尿病性足病変(潰瘍)に対する治療薬の開発を目指した。①正常皮膚角化細胞を用いた単層培養細胞、三次元培養表皮に対し皮膚科領域細菌群による創傷遅延モデルを作成し、LL37など抗菌ペプチド群、HBGB1, HMGB1-ABoxを各々①で構築したシステムに作用させ、創傷治癒の改善について評価した。次に糖尿病マウスおよびTLR3ノックアウトマウスの背部に作成した潰瘍に、皮膚抗菌ペプチドおよびHMGB1含有軟膏を数種類作成して塗布し、創傷治癒を比較検討した。コンロールとLL37単独が14日目に上皮化し、HMGB1群を含む軟膏の創傷治癒が優れているとはいえなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病患者の0.3%は足潰瘍病変をもち、一旦足潰瘍を発症した場合には難治性である。糖尿病患者の発汗低下からLL37などの抗菌ペプチドの低下により表皮角化細胞の免疫機能低下が原因であることを示し、現存する軟膏とは全く違う面からの創傷治癒を促進する軟膏を開発する予定であった。HMGB1の効果は証明できていないが、LL37は創傷治癒に関して改良すれば効果がある軟膏が作れる可能性が示された。
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