研究課題/領域番号 |
20K09855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 教授 (30301568)
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研究分担者 |
阿部 芳憲 日本医科大学, 先端医学研究所, 助教 (00386153)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ケロイド / 組織幹細胞 / PRMT5 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
われわれは、ケロイド真皮幹細胞で、アルギニンメチル化酵素のひとつであるPRMT5 が高発現していることを見出した。さらに興味深いことに、健常人の真皮幹細胞で は見られないPRMT5の高発現が、ケロイド患者の正常真皮幹細胞で認められた。本研 究はこれまでの知見をもとに、ケロイド真皮幹細胞に着目して、ケロイド発生新分 子機構の解明とケロイド新治療薬の開発を目的とする。PRMT5を標的とした新薬開発 は、phase2まで進んでおり(リンパ腫)、PRMT5阻害薬がケロイド幹細胞の維持を抑制 し、ケロイド形成や再発を抑える効果を検証した上で外用剤化してケロイド新治療 薬としての迅速な臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
ケロイドは、ヒト特有の疾患であるために原因解明には至っていない。、そのため、特効薬の開発は困難で、臨床現場では、対処療法がメインとなっているのが現状である。今までのケロイド研究は、ケロイド由来の線維芽細胞を用いたものががほとんどであった。われわれは、ケロイド組織例の約10%に異所性骨化を認めることを見出し、正常皮膚には存在しないはずの細胞がケロイド内に存在するのではないかと考えた、その起源として、組織異常幹細胞(ケロイド真皮幹細胞)に着目した。これまでに、得られた予備知見として、ケロイド患者では、ケロイド真皮 由来幹細胞におけるPRMT5発現が亢進しており、それは、第一世代のPRMT5阻害薬により、抑制されたことがあげられる。ケロイド真皮由来幹細胞やケロイド組織 におけるPRMT5タンパク発現の亢進のとケロイド組織を用いてPRMT5の免疫組織学的染色を行い、その発現分布を確認して、それぞれ、正常皮膚との比較を行った。 現在、ケロイド真皮由来幹細胞においてPRMT5がどのような遺伝子群を制御しているのかを明らかにするために、KSにiRNAを安定発現させてPRMT5発現を抑制後、細胞から、RNAを抽出して、多角的に発現解析を行い、PRMT5が発現制御する遺伝子群の役割をpathway解析ソフトを用いて、発現2倍以上でp値の低い順にPRMT5標的遺伝子を絞り込み、その結果の検証作業に入っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ケロイド真皮由来幹細胞においてPRMT5がどのような遺伝子群を制御しているのかを明らかにするために、KSにiRNAを安定発現させてPRMT5発現を抑制後、細胞から、RNAを抽出して、多角的に発現解析を行い、PRMT5が発現制御する遺伝子群の役割をpathway解析ソフトを用いて、発現2倍以上でp値の低い順にPRMT5標的遺伝子を絞り込んだ結果をもとに、着目遺伝子などについて、ケロイド発生との関連性をチェックしていく。最終的には、ケロイドの治療薬候補をピックアップして臨床応用へとつなげていきたい
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