研究課題/領域番号 |
20K09856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
河合 建一郎 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80423177)
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研究分担者 |
久保 盾貴 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00362707)
藤原 敏宏 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00423179)
西本 聡 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30281124)
石瀬 久子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30567194)
垣淵 正男 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50252664)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 創傷治癒 / TRPC3 / NFAT / Endothelin Receptor B / 機械的刺激 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
過剰な酸化ストレスは組織障害を引き起こすが、酸化ストレスの主体であるROSはシグナル伝達(ROS/Redoxシグナル)という生理的に重要な働きも持つ。創部では酸化ストレスが大きいが、創部において細胞がいかに酸化ストレスを回避しつつROS/Redoxシグナルを利用しているかは不明である。 本研究では酸化ストレスに応答するメカニズムの一つであるCa2+チャネル;TRPC3に着目し、皮膚線維芽細胞がTRPC3を介して酸化ストレス耐性を獲得することで組織修復へ導くメカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では酸化ストレスに応答するメカニズムとして、Ca2+チャネルの一種であるTRPC3に着目し、皮膚線維芽細胞がTRPC3を介して組織における酸化ストレスに感応して酸化ストレス耐性を獲得することで組織修復へ導くメカニズムを解明することを目標としていた。 レトロウィルスを用いたTRPC3過剰発現細胞およびそのコントロール細胞は作成しストック済みであったため本研究ではこれに加えてCRISPR Cas9システムを用いてTRPC3ノックアウト細胞を作成し、各種assayを行う計画となっていた。 しかしながらCRISPR Cas9システムを用いたTRPC3ノックアウト線維芽細胞がどうしてもうまくできなかった。 このため、研究最終年度でもあることからある程度研究の方向性を修正し、これまでに得ていた創傷治癒におけるTRPC3の役割についての知見について掘り下げて研究を行い、成果を出すことに目標を変更した。具体的には、TRPC3関連のパイロット研究で得ていた機械的刺激時における線維芽細胞と表皮細胞との相互作用について調査を行い論文作成を行った。機械的伸展刺激によって表皮細胞から分泌されるEndothelineが増加するが、一方で機械的伸展刺激によって線維芽細胞においてはEndothelin受容体の発現が増加する。Endotheline受容体にEndothelineが結合するとG蛋白などを介してTRPC3が活性化され、カルシウムの細胞内への流入が増加し、転写因子のNFATを介して創の線維化を促す遺伝子発現が上昇する。以上のメカニズムを研究し論文作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究以外の業務が増加したことに加え、研究を進めるにあたって必要なTRPC3ノックアウト線維芽細胞がどうしても作れなかった。
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今後の研究の推進方策 |
創傷治癒メカニズムにおけるTRPC3の役割として酸化ストレス受容体としての研究を行う予定であったが、TRPC3ノックアウト線維芽細胞の作成ができなかったことから、当初の方向性(酸化ストレス受容体としてのTRPC3研究)の研究は困難となった。今後は同じくTRPC3の創傷治癒過程における役割として、これまでに培っている機械的刺激受容体としてのTRPC3研究について深化させまとめる。
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