研究課題/領域番号 |
20K09858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村尾 尚規 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (90706558)
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研究分担者 |
山本 有平 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70271674)
林 利彦 旭川医科大学, 大学病院, 教授 (00432146)
舟山 恵美 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10533630)
前田 拓 北海道大学, 大学病院, 講師 (80813542)
石川 耕資 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60791374)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ケロイド / 低酸素応答 / 線維芽細胞 / 制御性T細胞 / HIF-1α / HIF-1 |
研究開始時の研究の概要 |
創傷治癒の異常であるケロイドでは、炎症・免疫反応を抑制する制御性T細胞(regulatory T cell、 Treg)の局所発現が低下し、炎症が遷延し線維化が亢進する。低酸素誘導因子(hypoxia-inducible factor、HIF)は低酸素ストレスに対する細胞の適応応答で中心的な役割を果たす転写因子である。HIFはTregの分化を抑制する作用を有する。ケロイド内で発現するHIFは、Tregを阻害し、ケロイドの炎症と線維化を亢進させている可能性がある。本研究ではケロイドにおけるHIFによる免疫抑制機構の破綻の有無を明らかにし、ケロイド病態の詳細に迫る。
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研究成果の概要 |
ケロイドは創傷治癒過程の異常により炎症と線維化が亢進した状態である。ケロイド内は低酸素状態であると報告されており、本研究において、生体の低酸素応答がケロイド病態、特に、制御性T細胞とTh17細胞による免疫バランスにどのような影響を有するかを検証することを目的とした。結果として、病理組織学的評価では、ケロイド組織内では低酸素応答因子であるHIF-1αの発現増強を認める一方で、制御性T細胞の転写因子であるFOXP3の発現は低下していた。ケロイド線維芽細胞の低酸素下培養において、HIF-1αとCOL I、VEGF等のケロイドが産生するタンパクのmRNA発現の増加を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、生体の低酸素応答がケロイド病態に与える影響に関して、制御性T細胞とTh17細胞による免疫バランスの観点から検証することを目的とした。今回の研究成果からは、ケロイド線維芽細胞の低酸素下培養において、低酸素応答因子であるHIF-1αの発現とケロイド線維芽細胞のコラーゲン産生に相関を認めた。低酸素応答と制御性T細胞/Th17細胞による局所免疫バランスの詳細の解明には至らなかった。今後はケロイド線維芽細胞とCD4陽性T細胞の共培養系による検証を行うことで、ケロイド病態に対するさらなる知見につながると考えられた。
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