研究課題/領域番号 |
20K09881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
岩井 治樹 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (30452949)
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研究分担者 |
鈴木 甫 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10623340)
八坂 敏一 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (20568365)
安宅 弘司 神戸薬科大学, 薬学部, 特任助教 (30563358)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経炎症 / マクロファージ / M1 / M2 / 末梢神経損傷 / 感覚神経節 / キメラマウス / 末梢神経 / 神経因性疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔や顔面の神経因性疼痛は、近年、末梢神経節にいるマクロファージの単独の活性化によっても生じることが明らかとなった。しかし、このマクロファージの由来、さらに神経因性疼痛を導くメカニズムの詳細は分かっていない。これまでに我々は、食作用のない組織保護性マクロファージが神経節ニューロンに直接コンタクトする現象を見つけた。 本研究の目的は「血管浸潤性あるいは組織常在性マクロファージが神経節ニューロンにコンタクトすることで、このニューロンの遺伝子発現が誘導され、ここから産生された因子が中枢に放出、二次ニューロンの活動を促進し、神経因性疼痛が惹起される」という仮説を証明することである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、口腔や顔面の神経因性疼痛時、「血管浸潤性あるいは組織常在性マクロファージが神経節ニューロンにコンタクトすることで、このニューロンの遺伝子発現が誘導され、ここから産生された因子が中枢に放出、二次ニューロンの活動を促進し、神経因性疼痛が惹起される」という仮説を証明することである。 これまでに、血管浸潤性あるいは組織常在性マクロファージを同定する目的で、キメラマウスを作製し、三叉神経 (上顎神経) を切断した結果、神経損傷7日目の三叉神経節では、GFP 陽性・Iba1 陽性の血管浸潤性マクロファージおよび GFP 陰性・Iba1 陽性の組織常在性マクロファージ両方の細胞数の増加が認められたが、大部分のマクロファージは、組織常在性であることが明らかとなった。神経損傷後の三叉神経節の三次元再構築像を作製したところ、多数のマクロファージが神経節ニューロンと衛星細胞との間に入り込み、マクロファージとニューロンとの間でコンタクト様構造を示した。この構造を電子顕微鏡を用いて解析したところ、電子密度の高い脂質体とリソソームを持つマクロファージがニューロンと直接接触していることが明らかとなった。さらに、神経損傷後のマクロファージの機能を解析した結果、神経損傷7日目では、ほとんどのマクロファージは、CD206陽性の組織修復性マクロファージであった。続いて、脳幹内での一次 (神経節) ニューロンの投射領域を神経トレーサーによって確認した結果、三叉神経脊髄路核では尾側から吻側に向かって眼神経、上顎神経、下顎神経と異なる領域に投射があることが確認された。 本年度は、一次ニューロンの投射領域である三叉神経脊髄路核について、神経損傷後のミクログリアを解析した結果、Iba1 陽性ミクログリアの活性化が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定よりも二次ニューロンの解析に手間取っているため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、次年度は二次ニューロンの解析を行うとともに、三叉神経節のマクロファージの活性化因子について解析を行う。
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