研究課題/領域番号 |
20K09884
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
衣斐 美歩 岩手医科大学, 歯学部, 特任講師 (30609665)
|
研究分担者 |
入江 太朗 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00317570)
深田 俊幸 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70373363)
佐藤 泰生 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (40244941)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 亜鉛トランスポーター / 歯の発生 / 亜鉛シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
亜鉛はシグナル伝達を介して細胞内タンパク質の発現や機能に関与している。それゆえ生体内にて欠乏すると様々な機能障害を引き起こす。近年、亜鉛トランスポーターに着目した研究が進められており、その分野は様々な病態や創傷治癒など多岐にわたっているが、歯の発生過程については報告がない。そこで、本研究では亜鉛トランスポーターを介した「亜鉛シグナル」に焦点を当て、歯の発生過程と亜鉛ホメオスタシス制御の関連について遺伝子改変マウスを用いて解明する。本研究は亜鉛シグナルを主軸とした新たな視点から歯の発生および形成メカニズムの解明を目指しており、歯の再生医療実現に向けた戦略の創出までを視野に入れた包括的研究である。
|
研究実績の概要 |
エナメル質形成にはエナメル芽細胞に局在する多くのイオンチャネルやトランスポーターを介したイオン輸送が関与している。本研究では新規トランスポーターシグナルとして歯の形態形成機構における亜鉛トランスポーターの機能解析を目的としている。本年度は歯の形成過程における亜鉛トランスポーターの直接的関与について検討した。Cre/loxPシステムにより亜鉛トランスポーターコンディショナルノックアウトマウス(Zip10-floxマウス)を用いて細胞特異的に亜鉛トランスポーターをノックアウトし歯の発生過程または形態形成に与える影響について解析を行った。観察時期は歯冠の形態形成への影響が見られた場合判断しやすい歯胚の鍾状期(bell stage、胎生18.5日)に設定した。観察対象は下顎両側第一大臼歯歯胚とした。組織学的解析はは各マウス頭部冠状断の標本作製を行い形態学的特徴についてコントロールのマウスの表現型を基準に歯胚の形態や各構成細胞(内・外エナメル上皮、星状網および歯乳頭)の形態、配列および細胞密度などを中心に比較・検討を行った。本年度得られた実験結果は生体内( in vivo)レベルにおいて、歯の形態形成に亜鉛トランスポーターが直接関与していること、亜鉛の取り込みによるシグナル伝達経路が歯の発生および形成へ影響を及ぼしていることを想定するものである。次年度実施予定である器官培養によるin vitro実験での歯の形成過程における亜鉛シグナル応答分子の探索につながる重要な検証である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vivo実験の準備および予備検討のため若干の遅れを生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、zip10-Cre/zip10-floxマウスの顎骨から歯胚を採取し、in vitroによる器官培養系にて歯の形成過程を観察する。亜鉛シグナル応答分子の歯の形態形成における役割の検証も行う。
|