研究課題/領域番号 |
20K09887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 真理 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (40546488)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Opsin3 / 褐色脂肪 / Opn3-KOヒト褐色脂肪細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヒト褐色脂肪におけるOpn3の役割を調べる。野生型およびOpn3 knock-out (KO)ヒト褐色脂肪細胞を用いたRNA-seq解析はすでに終了しており、興味深いことに、ヒトでは光に依存しないシグナル経路がOpn3を介した褐色脂肪の代謝制御に重要であることが示された。光非依存性のOpn3の役割はこれまでにもいくつかの論文で示唆されてきたものの、未だ解明が遅れているホットな研究領域である。すなわち、本研究では光に依存しない全く新しいOpn3の役割を紐解くことが重大なテーマである。RNA-seq解析の結果をもとに、光非依存的にヒトOpn3が誘導しうる褐色脂肪の代謝制御システムを明らかにすることが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
光非依存的なOpsin3受容体がヒト褐色脂肪に与える影響を調べるために、Opsin3受容体ノックアウト褐色脂肪細胞を樹立して機能解析実験を行った。その結果、ミトコンドリアでの熱産生に深く関わるucp1の発現、およびGlut1を介した糖取り込みによるエネルギー代謝・産生に光を介さずにOpn3が関与していることが示唆された。これらの機能調節にどのようなシグナル経路が関与しているかを調べるため、RNA-sequenceデータを用いたシグナル解析を行ったところ、種々の代謝関連シグナル経路や褐色脂肪の機能発揮への関連シグナル経路が含まれていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は光受容体であるOpsin3をターゲットとした従来にない全く新しい褐色脂肪の活性化法の提案を目指すものである。Opsin3と褐色脂肪に関する報告はまだ少なく、さらにOpsin3の光刺激に依存しない褐色脂肪の新規活性化刺激の研究は代謝研究の新たな領域を切り開くものである。ヒトOpsin3について光依存性のみならず光非依存性の役割をも明らかにし、Opsin3のbi-functionalな役割を褐色脂肪の代謝メカニズムとともに示すことは、肥満や糖尿病といた代謝疾患における新たな予防・治療法の確立に有用であると考えられる。
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