研究課題/領域番号 |
20K09888
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 文彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (60632130)
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研究分担者 |
古田 貴寛 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60314184)
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70362689)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 顎運動 / 咀嚼筋 / 運動調節 / 三叉神経運動核 / 小脳核 / 小脳 / 筋紡錘 / 三叉神経上核 / トゥレット症候群 / 脳深部刺激療法 / 深部感覚 |
研究開始時の研究の概要 |
重症のトゥレット症候群(TS)患者の症状が歯科スプリントの咬合で軽快することが先日発 表されたが、歯科スプリントの咬合で賦活される閉口筋筋紡錘感覚が髄板内核群に伝達され る可能性を示唆している。本研究では、ラットを用い、閉口筋筋紡錘感覚の視床髄板内核群への伝達の有無とその様態の解明を目指した。閉口筋筋紡錘感覚が特異的に入力する三叉神経上核からの上行路を順行性と逆行性の神経トレーサーを用いて形態学的に、また閉口筋筋紡錘感覚刺激に対する応答を記録した。歯科スプリントによる治療の効果に科学的根拠を与え、この治療法の応用の広がりに寄与する情報を提供したい。
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研究実績の概要 |
令和4年度の研究で、閉口筋筋紡錘感覚が、視床髄板内核群中のoval paracentral nucleus(OPC)を経て一次体性感覚野と二次体性感覚野、顆粒性島皮質に投射される経路が解明された。令和5年度は、この経路の特徴を明らかにするため、髄板内核群中でOPCに接した中心傍核からの経路の解明を目指した。中心傍核に順行性神経トレーサーBDAを電気泳動にて微量注入した。その結果、主に注入と同側の内側無顆粒性皮質吻外側部と外側無顆粒性皮質吻内側部に標識軸索終末が認められた。これらの中心傍核からの投射部位は、OPCからの投射部位とは異なっていた。さらに、OPCからの投射が認められた一次体性感覚野と二次体性感覚野、顆粒性島皮質に逆行性トレーサーであるFGを注入したところ、注入と同側の視床髄板内核群および感覚視床のうち、いずれの注入でも多数の標識ニューロンが認められたのはOPCだけであった。これらの結果より、OPC-大脳皮質路の特異性が示された。 研究期間全体を通じて実施した研究によって、1)視床髄板内核中に、中心傍核に接しているが中心傍核から独立したOPCという細胞群が同定できた。2)閉口筋筋紡錘感覚が、三叉神経上核を経て両側のOPCに特異的に伝達された後、3)OPCから出る特異な経路を通って大脳皮質の一次体性感覚野と二次体性感覚野、顆粒性島皮質に投射される経路が解明された。4)これらの研究によって、閉口筋筋紡錘感覚が感覚の弁別機能ばかりでなく、情動にも関与する可能性が明らかになった。5)さらに、歯科スプリントの咬合で賦活される閉口筋筋紡錘感覚がトゥレット症候群患者の症状、特に情動に関わる症状を抑制させるメカニズムに、本研究で明らかになったOPC経由の神経回路が関わっている可能性が示唆できた。
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