研究課題/領域番号 |
20K09892
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三浦 裕仁 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (80353936)
|
研究分担者 |
小柳 江梨子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (20791700)
原田 秀逸 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60128452)
山中 淳之 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (80343367)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 味覚 / 細胞分化 / 味蕾 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会となった日本では、食による健康維持という観点から、食を楽しむために欠かせない感覚である味覚を正常に保つ意義は大きい。 味覚受容器である味蕾は、味覚受容機能が異なる多様な細胞で構成されている。また、その細胞は、皮膚の細胞のように、短い周期で常に新しく置き換わっている(ターンオーバー)。このターンオーバーの異常は味覚障害を引き起こす。本研究は、味蕾の多様な細胞が産み出される仕組みを解明し、その知見を味覚障害の原因解明や治療法・予防法開発に役立てることを目的とする。特に、味蕾周囲の上皮細胞から生じて味蕾に入り、味蕾を構成する全ての種類の細胞に成熟・分化する味蕾基底細胞の特性の解明を進める。
|
研究成果の概要 |
口腔の味蕾は、舌の有郭乳頭・葉状乳頭・茸状乳頭と軟口蓋に分布する。味蕾の中で味孔まで伸びる細胞は、Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ 型の3種類に分類される。個々の味蕾に含まれるⅠ,Ⅱ,Ⅲ 型細胞の割合は、舌の乳頭や軟口蓋など部位間で違いがあるが、部位内では、どの味蕾もほぼ一定であると考えられていた。本研究では、ホールマウント免疫染色を用いて、各部位の個々の味蕾に含まれるⅡ型とⅢ型細胞の数を解析し、その数と割合が味蕾間で大きく異なっていることを明らかした。この結果は、味蕾のターンオーバーにおいて、新たに供給される3種類の細胞型の割合は、これまで想定されていたように一定ではなく、大きく変動している可能性を示している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、新型コロナウイルスで味覚障害を発症し、その症状が長く続くケースが数多く報告されている。味覚障害を生じると、食べる喜びは失われ、食欲も著しく減退する。食による健康維持のため、味覚を正常に保つ意義は大きい。味覚受容器である味蕾の細胞は次々と置き換わっており、その異常は味覚障害を生じる。しかし、味蕾の細胞のターンオーバーのメカニズムには不明な点が多い。その解明は味覚障害の予防法、治療法の開発に重要である。本研究は、味蕾の細胞がターンオーバーするとき、味蕾に新たに供給される3種類の細胞型の割合は、これまで想定されていたように一定ではなく、大きく変動している可能性を示した。
|