研究課題/領域番号 |
20K09893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
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研究分担者 |
人見 涼露 日本大学, 歯学部, 講師 (70548924)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヘプシジン / 三叉神経節ニューロン / 口内炎 / 歯周炎 / 下歯槽神経障害 / 抗菌ペプチド / 疼痛 / Hamp / 口内炎疼痛 / 神経ペプチド / 神経軸索 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、神経系から免疫系への逆の経路の解明を目指し、口内炎モデルの三叉神経節に対するマイクロアレイ解析にて著明な発現増加を示したHamp、Reg3bおよびSerpina3nの3遺伝子(抗菌・免疫関連ペプチドをコード)に注目する。インビトロおよびインビボの実験系を用いて末梢神経での転写経路、軸索輸送、末梢ペプチド放出について包括的に検討を行う。末梢神経からの抗菌・免疫関連ペプチド分泌による免疫系調整が明らかとなれば、将来、新規の治療法や新薬の開発に繋がるかもしれない。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、口内炎や歯周炎、下歯槽神経障害などの口腔疾患において神経特異的に誘導される抗菌性ペプチドの作用を明らかにすることである。口内炎モデルラットでのステロイドの効果検証では、治癒速度に変化はないものの疼痛を抑制した。本モデル三叉神経節からの網羅的遺伝子解析にて、抗菌性ペプチドであるヘプシジンの遺伝子が最も上昇していた。この遺伝子は特異的に疾患部位と支配神経節内で上昇し、歯周炎や下歯槽神経障害モデルでも同様であった。電気生理学的解析にてヘプシジンは口腔粘膜への侵害機械刺激による神経応答を増強した。本研究結果から、口腔神経免疫学的メカニズムにヘプシジンが関与することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔内には常在細菌がいるため、疾患発生には感染が付きものである。本研究にて抗菌ペプチドのヘプシジンが発現上昇する反応は種々の口腔内疾患モデルで共通して観察されており、口腔内疾患の成立機序を考えると理にかなった生体防御機構であると考えられる。また、ヘプシジンは疼痛を増強する作用を持っており、疼痛発生にて疾患部位を個体に認知・警告している可能シ性がある。本研究にて明らかにしたヘプシジン作用機構は種々の口腔疾患で共通しているため、口腔疾患の包括的治療を計画する際に非常に有用な情報を提供し、ヘプシジンは治療標的の1つとなり得る。
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