研究課題/領域番号 |
20K09894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
人見 涼露 日本大学, 歯学部, 講師 (70548924)
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研究分担者 |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 口内炎 / 口腔細菌叢 / 潰瘍性口内炎 / 口腔乾燥 |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療中の患者に発症する口内炎は、激痛を生じるため会話や食事などが困難になる。さらに、唾液腺萎縮による口腔乾燥も併発するため、臨床上大きな問題となっている。以前の研究から、このような口内炎の増悪には口腔細菌数の増加が関与すると考えられるが、ドライマウスや歯周病患者に認められる口腔細菌叢バランス失調も影響する可能性がある。本研究では、口腔乾燥により口腔細菌叢がどう変化するのか、その変化は口内炎の治癒過程や疼痛にどの程度影響するのかを明らかにする。口腔乾燥による口内炎増悪機構が解明されれば、適切な治療法や予防法を見出すことにつながり、口内炎で苦しむ患者のQOL 向上に貢献できると考える。
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研究成果の概要 |
近年、様々な疾患によって口腔細菌叢のバランスが変化し、口腔内の創傷治癒が妨げられることが報告されている。本研究は、口腔乾燥による口腔細菌叢バランスの変化を明らかにし、その変化が潰瘍性口内炎の治癒過程にどの程度影響するのか解明することを目的とした。唾液腺摘出による口腔乾燥モデルラットにおいて摘出1週間後より口腔細菌叢が大きく変化した。唾液腺摘出後に惹起した口内炎は重篤度が増悪し治癒までの時間が延長したが、抗菌薬の投与によりこれらは改善した。口腔乾燥による口内炎治癒の延長には口腔細菌の増加に加え、おそらく口腔細菌叢の変化も関与していることが考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、頭頸部がん治療中など口腔乾燥に苦しむ患者の口腔内環境変化と口腔粘膜疾患の治癒過程に着目して行われた。本研究結果は、そのような患者における口腔粘膜疾患の病態の理解につながる。また、今後より詳細な口腔細菌叢の解析を行うことで、どの細菌種がどのように疾患の治癒や疼痛に関与しているかが明らかになれば、口腔粘膜疾患の予防や、治療薬の選択に役立つ可能性がある。
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