配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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研究実績の概要 |
頭蓋顎面に骨格的な問題がある場合、咬合獲得のためには時間をかけた治療が必要である。頭蓋顎顔面の形態形成には、頭蓋底軟骨結合の発生も影響を与えるが、その重要性にも関わらず、どのような分子メカニズムで頭蓋底軟骨結合の発生が制御されているのか未解決のまま残されていた。 申請者らは、昨年度までに、頭蓋底軟骨結合の発生におけるTBX1の役割について研究結果をまとめ、原著論文(査読あり国際誌)および総説(査読あり国際誌)を発表している(船戸ら, J Dent Res, 2020;船戸ら, Front Cell Dev Biol, 2020;船戸ら, Int J Mol Sci, 2022)。さらに、本研究課題であるDiGeorge症候群/22q11.2欠失症候群について、遺伝的および顎顔面形態の臨床的側面からまとめた総論(査読あり国際誌、オープンアクセス)を発表した (船戸, J Dev Biol, 2022)。また、書籍2冊に寄稿し、出版された。その上で、今年度は、ネアンデルタール人から変化した一塩基多型がTBX1の発現およびホモ・サピエンスに特徴的な頭蓋底形態に寄与に関与する可能性を見出した(船戸ら, Am J Hum Genet, 2024)。 TBX1は口蓋突起粘膜上皮の増殖や極性に関与する(船戸ら, Hum Mol Genet, 2012)。そこで、TBX1がmicroRNA群の発現に関与するのではないかという仮説のもと、TBX1の標的となるmiRNAを探索したところ、TBX1は口蓋形成においてmiR-200ーZEB2軸を標的にすることが明らかとなった。そこで、上皮間葉転換におけるTBX1の新たな機能を解析するとともに、TBX1によるmiRNAの発現および転写制御ネットワークを in vitroおよびTbx1ノックアウトマウスの口蓋板にて解析した。これらの研究結果を2022年度に論文を発表し(船戸ら, Sci Rep, 2022)、国際学会でも発表した。
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