研究課題/領域番号 |
20K09905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
浅野 智志 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30570535)
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研究分担者 |
兼松 隆 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10264053)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 乳癌 / 細胞増殖 / 細胞遊走 / VIP / Gαs / VIPR2 / PI3キナーゼ / Gαi / ERK / PI3K / イノシトールリン脂質 / アクチン / VPAC2 / 糸状仮足 / 細胞移動 / 遊走 / 細胞接着 / 転移 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞の移動のし易さは、癌の転移能と密接に関わっている。細胞が移動するためには、接着力の強弱が時空間的に適切に制御される必要がある。我々はPLC-related catalytically inactive protein (PRIP) が新規の細胞接着調節タンパク質であることを見出した(未発表研究)。そして、PRIPの過剰発現癌細胞株を用いたマウス転移モデルの実験の結果、PRIPが癌細胞の増殖や転移を負に制御していることを明らかにした。本研究では、PRIPによる細胞接着の調節メカニズムを明らかにし、その知見を癌細胞の細胞移動、転移制御に応用することによって、新しい転移抑制剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
血管作動性腸管ペプチド(VIP)受容体2(VIPR2)の乳癌細胞遊走・増殖における関与と、その分子基盤の解明を目的に検討を行った。乳癌細胞へのVIPR2の安定発現はVIP誘導性の細胞遊走と細胞増殖を促進し、in vivo腹腔内増殖が亢進することを明らかにした。一方、VIPR2選択的アンタゴニストペプチドKS-133の処置は、VIPR2過剰発現の効果を無効化し、VIP誘導性の細胞遊走や増殖を著しく阻害した。これらの結果は、VIPR2シグナルが乳癌細胞遊走や細胞増殖を調節することを示しており、VIPR2過剰発現によるこのシグナルの破綻が乳癌の増悪化につながる可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、脳神経細胞の解析から研究代表者らが見いだした神経突起伸長に関わる新規シグナルVIP-VIPR2を癌細胞研究へと応用した、学術的意義の大きいものであり、その達成は、生体で利用可能な新規抗癌剤の開発に繋がるものである。VIPR2は全身にわたる諸臓器で発現しており、それらの臓器を原発部位とする癌細胞でVIPR2遺伝子の変異やコピー数の増加が高頻度に観察されているという大きな特色がある。またVIPR2はGタンパク質共役型受容体であり、創薬標的としての妥当性が高く、治療薬開発の実現に向けて大きな可能性を秘めている。
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