研究課題/領域番号 |
20K09906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤井 慎介 九州大学, 歯学研究院, 講師 (60452786)
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研究分担者 |
清島 保 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20264054)
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Arl4c / エナメル上皮腫 / BRAF V600E / Raf1 / 破骨細胞 / ARL4C / BRAFV600E |
研究開始時の研究の概要 |
「エナメル上皮腫におけるArl4cの機能解析とその臨床応用」を目指し、以下の2点を明らかにすることを計画している。 ①エナメル上皮腫の腫瘍形成・破骨細胞誘導におけるArl4cの機能の解明 ②モデル動物を用いたArl4cを標的とするエナメル上皮腫の抗腫瘍効果の解析 申請者らが同定した新規がん関連遺伝子Arl4cのエナメル上皮腫における機能解析を行い、Arl4cを分子標的とした新規治療法の開発を目指す点が本研究の概要である。
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研究成果の概要 |
エナメル上皮腫は歯原性腫瘍の中で最も発生頻度が高い。エナメル上皮腫は歯原性上皮由来の良性腫瘍だが、再発したり、しばしば広範に顎骨吸収を呈するため、臨床的にも重要な腫瘍である。しかし、その病因は不明である。最近、エナメル上皮腫においてBRAF V600E変異に依存したMAPKシグナルの異常活性化について報告されたが、細胞増殖や顎骨吸収における機能は不明である。本研究では、低分子量Gタンパク質ADP-ribosylation factor (ARF)-like 4c(ARL4C)がエナメル上皮腫に高発現しており、その発現がエナメル上皮腫の腫瘍細胞増殖および破骨細胞形成を促進することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エナメル上皮腫は口腔特有の良性腫瘍であるが、臨床的には良性腫瘍の範疇をこえるような病態を呈することがある。本研究において、エナメル上皮腫では、少なくとも2種類のシグナル伝達が活性化していることを見出した。本研究結果より、臨床の病態に関連するエナメル上皮種の新たな病因論が明らかになったと考えられた。BRAF V600E阻害剤はすでに皮膚癌に応用されており、エナメル上皮腫にも適応されつつある。より効果的な治療効果をもたらすためには、RAF1阻害剤の併用が望まれる。本研究成果はエナメル上皮腫の新たな診断方法や予後の判定法の確立および治療への応用に発展できると考えられる。
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