研究課題/領域番号 |
20K09916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
柳 久美子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, ゲノム医療研究部, 研究員 (90294701)
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研究分担者 |
要 匡 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, ゲノム医療研究部, 部長 (40264288)
石谷 太 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40448428)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 心脊椎手根骨顔症候群 / 前頭・骨幹端異形成症 / MAP3K7 / 単一遺伝性疾患 / 表現型異質性 / 網羅的遺伝学的解析 / 特異的顔貌 / 心脊椎手根骨顔症候群(CSCF) / 前頭・骨幹端異形成症(FMD) / ゼブラフィッシュ / 先天奇形疾患 / 頭・骨幹端異形成症 |
研究開始時の研究の概要 |
網羅的な遺伝学的解析が可能となってきた現在、臨床的に同一疾患であっても原因となる遺伝子座位が異なる場合(表現型異質性)や、遺伝子座位が同じであっても臨床的には別疾患と診断される場合(表現型異質性)など、いわゆる単一遺伝性疾患でさえも遺伝性疾患の分子病態はより多様、複雑であることが明らかになりつつある。本研究ではMAP3K7遺伝子変異が原因とされる表現型が全く異なる2つの遺伝性疾患、心脊椎手根骨顔症候群(CSCF)と前頭・骨幹端異形成症(FMD)疾患の表現型異質性について細胞およびモデル動物(ゼブラフィッシュ)を用いて分子病態を検証し、遺伝学的背景に基づいた説明を試みる。
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研究成果の概要 |
心脊椎手根骨顔症候群(CSCF)症例の新規MAP3K7バリアント機能と表現型発現との関連を明らかにした。MAP3K7バリアントは自己リン酸化部位のミスセンスバリアント で自己リン酸化の減弱を伴っていた。MAP3K7を選択的に抑制したゼブラフィッシュでは、CSCFで特徴的な表現型が現れる頭部や心に異常を確認した。また、患者細胞ではMAP3K7刺激に対する細胞接着性が減弱すること示した。さらに、CSCF様の表現型を呈する症例でMAP3K7と複合体を形成するTAB2に新規フレーシフトバリアントを同定した。これらの結果よりCSCF 様の表現型はMAP3K7シグナル経路の機能喪失によると考察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、心室中隔欠損、手根骨癒合、特異的な顔貌、歯の放出遅延などのCSCFの表現型発現にMAP3K7の機能喪失型バリアントが関与していることがin vitroやin vivoでの解析を通じて明確に示すことができた。加えて、CSCF様の表現型を呈する別の症例でMAP3K7と複合体を形成するTAB2に新規のフレームシフトバリアントを同定されたことは、MAP3K7を中心とする機能喪失型のシグナルカスケードがCSCF類似の表現型に関与することを示唆しており、あらたな疾患概念の提唱につながる可能性が高く、学術的にも意義のある発見となった。
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