研究課題/領域番号 |
20K09927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
加藤 伊陽子 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (20333297)
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研究分担者 |
倉田 俊一 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (60140901)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | p63 / TP63 / p300 / histone acetylation / 頭頸部扁平上皮癌 / 口腔癌 |
研究開始時の研究の概要 |
p63(TP63)タンパク質(遺伝子)は高分化型の、すなわち悪性度の低い、口腔癌細胞の核で強く発現するが、p63の発現が失われると浸潤癌へ進展する。最近の「ブックマーキング」仮説では、p63はクロマチン(ゲノムDNAを含む)の標的部位を選んでマークを付けると考えられている。この仮説を検証するため、本研究では口腔癌の培養細胞株を用い、p63による総合的な遺伝子調節機構について解析する。この研究で得られる知見は、口腔癌だけでなく皮膚癌、乳癌などの制御や、上皮組織の発生における遺伝子調節の理解につながる。
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研究成果の概要 |
TP63(p63)は悪性度の低い頭頸部癌で発現し、エピゲノム制御により分化関連遺伝子を活性化して癌細胞の分化能を維持し、浸潤癌への進行を抑制する。本研究ではp63のヒストン・アセチル化(ブックマーキング)機能に関して、p63-p300(ヒストン・アセチル基転移酵素)の複合体形成過程を解析した。p63とp300のドメインに異なるエピトープ・タグと核移行シグナルをつけて強制発現させ、免疫沈降で相互作用を調べた。その結果、p63のC末端領域がp300の活性中心近傍に親和性を示し、p63は多くの転写因子とは異なる部位に結合して酵素活性を調節する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の研究で、組織分化や癌の悪性転化で起こる遺伝子発現パターンの大きな変化はスーパーエンハンサー形成によるクロマチン・リモデリング、ヒストン・アセチル化等のエピゲノム制御によることが明らかになりつつある。本研究成果は頭頸部癌のエピゲノム制御の中心であるp63とp300の相互作用を解析し、これまで知られていた多数の一般的な転写制御因子とは異なる結合様式を検出した。
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