研究課題/領域番号 |
20K09946
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
佐藤 友則 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (30318547)
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研究分担者 |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (00177841)
新井 恭子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (10434143)
湊 華絵 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 非常勤講師 (70803112)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 意図的再植 / 歯周組織再生 / 歯根膜 / 歯髄由来細胞 / 長期例 / 再植 / 長期観察 |
研究開始時の研究の概要 |
当講座では、歯髄の再生医療への応用を検討するため、ラット歯髄由来細胞含有コラーゲンゲルを被包した象牙質片をマウス背部組織に移植し、象牙芽細胞様構造に誘導される可能性を報告している。またラット臼歯抜歯後の抜歯窩にラット歯髄由来細胞を移植し、歯を再植した後の歯根膜再生の可能性について検討するため組織学的観察を行い、術後14日までの短期例で、結合組織性の付着を伴う歯根膜様組織への分化の可能性が示唆され、炎症性細胞浸潤を伴った外部吸収の発生も1例確認している。そこで本研究の目的は、歯根膜を剔削した脱臼歯に歯髄由来細胞を応用し、歯根膜を含む歯周組織再生の可能性を長期的視点で組織学的に検討することである。
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研究実績の概要 |
本研究では、歯根膜を剔削した脱臼歯に歯髄由来細胞を応用し、歯根膜を含む歯周組織再生の可能性を長期的視点で組織学的に検討することである。そこで歯髄由来細胞を効果的に活用することにより歯根膜を含む歯周組織の再生を図り、口腔内で正常な状態で長期的に歯の保全を図ることが可能か否かを明らかにし、また問題点がある場合にはその原因と対応策の手がかりを追究することを目的としている。本年度は、①ラット歯髄を摘出し、歯髄由来細胞含有コラーゲンゲル作成、またコントロールとして歯髄由来細胞を含有しないコラーゲンゲルのみ応用する群で組織学的検索を行った。②一方で歯髄細胞の初代培養にラットを用い、全身麻酔を施し、上顎切歯を抜去、その抜去歯から歯髄組織を取り出し初代培養を行い、培養液としては、10%FBS を添加したDMEM を使用し進めた。③ wistar系雄性ラット(n=12)を使用し、全身麻酔下にて上顎第一大臼歯を抜去する。再植前に根尖1mm を根尖切除し、根尖孔部に皿状窩洞を形成後、根尖孔部根管にMTA を用いて逆根管充填を施し最も大型で太い歯根である近心舌側根を被験歯根とし、歯根膜をスケーラーで除去し、他の歯根は歯根膜の剔削除去は行わないまま通法の再植術を行い、6、12 週後に動物をサクリファイス、移植片とその周囲の常組織を一塊として取り出し、10%中性緩衝ホルマリンに浸漬固定する。固定終了後、EDTA 液で脱灰を行い、トリミングの後、通法に従いパラフィン包埋まで進めている。しかし再植後の組織状況を確認すると、一部脱落、捻転等がみられ正常な位置での固定が困難なものか多く見受けられた。ヒトと異なり、自制が効かないことから脱落、捻転がみられることと推察される。よって今後追加として短期例で行った皮下組織での観察、再植歯の復位後の固定等の検討を行い、研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルスの影響で研究開始、遂行に困難を要した事もあるが、研究手技の検討や内容の精査等により当初の計画予定より遅れ、研究に遅延が生じたことが要因である。令和4年度は12匹のラットを使用し、研究を進めているが、当初の想定結果と異なる状況もあることから、追加の動物実験も対応し、併せて切片作製、染色対応、統計学的検索を進めて行く予定としている。なお研究の遅延により研究期間の延長を申請し、1年の延長承認された事から、これらを髄時進めて行く予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では再植歯を抜歯窩に復位し経過観察としているが、脱落や捻転などの歯もみられている。使用動物の自制が効かないため、咬合負担により移動、脱落を招いていることから、暫間固定についての検討、または短期例で行った皮下組織での組織学的観察による検討を現在進めていく。現在方策として短期例で行った皮下組織の使用が最も安定した状況と思われるが、皮下組織の使用は再植の本来の手技とは異なるため、暫間固定の活用での抜歯窩の復位による術式と両方で行い研究を進めていく予定としている。
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