研究課題/領域番号 |
20K09956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
土屋 志津 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (60610053)
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研究分担者 |
柴 秀樹 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60260668)
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
鈴木 茂樹 東北大学, 大学病院, 講師 (30549762)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エストロゲン / 硬組織形成 / 抗炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、Gender-specific Medicine (GSM)が注目されている。性ホルモンが関与する疾患の研究は盛んに行われており、更年期以降の急激なエストロゲンの分泌量低下や、乳がんや子宮がん治療のための抗エストロゲン剤の投与が根尖性歯周炎の発症や増悪化を引き起こしている可能性がある。本研究計画で取り組むエストロゲンシグナルに対するMTI-IIの作用機序の解明は、新しい歯内治療法の開発につながるのみならず、一生の間でさまざまに変動するホルモン分泌量に伴う歯科疾患の発症予測や治療の予後予知性を高め、GSMとしてそれぞれのライフステージに合わせた新しい治療法の確立につながる研究になる。
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研究成果の概要 |
エストロゲンは様々な疾患の発症・進展の抑制に寄与する。研究への同意が得られた患者の抜去歯から樹立した歯髄細胞にエストロゲンレセプター(ERa, ERb)の発現が認められたため、性差による歯髄細胞の硬組織形成能を比較したが、ALP活性に有意な差は認められなかった。しかしどちらの細胞からも、BMP Response geneであるId1の遺伝子発現の上昇が認められた。また、Caspase3, 8遺伝子は発現が抑制された。さらにId1遺伝子の発現をノックダウンすると、細胞増殖の抑制とアポトーシス陽性細胞の増加が認められた。このことからId1はヒト歯髄細胞のアポトーシスに関与している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エストロゲンは、骨のリモデリングに関与し、更年期以降のエストロゲン欠乏が骨粗鬆症の原因となることが知られているように、様々な疾患の発症・進展の抑制に寄与する。本研究期間で行った、樹立したヒト歯髄細胞におけるエストロゲンレセプターの発現確認や、性差による硬組織誘導能の確認、および歯髄細胞では機能的役割が明らかでないId-1遺伝子の機能解析は、新しい硬組織再生療法の開発につながるのみならず、Gender-specific Medicine (GSM)としてそれぞれのライフステージに合わせた新しい治療法の確立につながる意義のある研究であると考えている。
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